厚生労働省は12月3日、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書」を公表した。

後期高齢者においては、フレイル状態になりやすい傾向にあることを指摘。一人ひとりの医療情報や心身の機能等を踏まえた支援が必要であり、フレイル予防に関しては一部で先進的な取り組みも見られるが、多くの自治体に十分に広がっているとは言えず、潜在的フレイル予備軍へのアプローチも不十分とした。

今後は後期高齢者医療制度の保険者であり財政運営責任者である後期高齢者医療広域連合と市町村との連携内容を”明示すること”を求め、市町村において介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業と一体的になって高齢者の心身に対する課題に対応すべきとしている。

具体的な実施内容と体制整備の中で、事業全体のコーディネートやデータ分析、高齢者の通いの場への積極的な関与を図るために、地域に管理栄養士や保健師、歯科衛生士といった医療専門職を確保できるよう市町村に対して交付する財源を確保する必要があるとしている。
また、「地域の医療職能関係団体との協力が不可欠なことから、三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)や看護協会、栄養士会、歯科衛生士会の協力を得ながら、保健事業と介護予防の一体的な実施を適切に展開していくことが必要である」としている。