『食べても太りにくい仕組みを解明 脂肪細胞の褐色化を促進』(2017/8 群馬,順天堂,徳島文理大学)

群馬大学生体調節研究所や順天堂大学などの研究グループは、食べても太りにくい体質づくりにつながる脂肪細胞を増やすメカニズムを発見した。

肥満に影響している脂肪細胞には、エネルギーを貯める「白色脂肪細胞」と、エネルギーを消費する「褐色脂肪細胞」があり、最近の研究では、ヒトの成人の褐色脂肪細胞の多くは「ベージュ脂肪細胞」であることが明らかになってきた。

研究グループは、脂肪細胞内の亜鉛トランスポーターのひとつであるZIP13(たんぱく質)が脂肪細胞の褐色化にブレーキをかけている調節因子であることを突き止めた。
脂肪細胞のZIP13(たんぱく質)を疎外することにより、エネルギーを貯める皮下白色脂肪組織内にエネルギーを消費する褐色脂肪細胞「ベージュ脂肪細胞」が誘導され、エネルギー消費量が増加し、高脂肪食を与えても、太りにくい体質になることが明らかになった。

今後、ベージュ脂肪細胞を増やす方法を明らかにし、熱産生に働く調節経路を解明することで、全身のエネルギー消費量を増やすことが、糖尿病や肥満の新たな治療法を開発できると考えられている。

《詳しくは》⇒  http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/cms_imcr/wp-content/uploads/2017/09/29.8.31HP.pdf