献立作成講座A・B

こんにちは!
Dietitian Job運営会社、東洋システムサイエンスの管理栄養士の増田です。

今回は、2024年6月9日に開催された「献立作成講座A」と6月30日に開催された「献立作成講座B」についてご紹介いたします。
本講座は、長年病院にて勤務され急性期、回復期、慢性期、産科等での幅広いご経験をお持ちの沼倉先生を講師としてお招きし、zoomを使ったオンライン講座として実施いたしました。

栄養価計算ソフト(お試し版)をパソコンにインストールしたうえで臨んでいただくという少し珍しいスタイルの講座となっており、講義のなかで立てた献立を実際にソフトに入力する演習があるというのは、弊社が栄養価計算ソフトを作っている会社ならではと言えるでしょう。

献立作成の基本の学び直しから、治療食への展開方法までを実践を交えて学ぶことができる講座となっております。
当日のラインナップはこちら
〈献立作成講座A〉
1.献立作成のポイント
2.給与栄養目標量と食品群別荷重平均栄養成分
3.食品構成表
4.献立作成のワーク
5.献立の栄養価計算ソフトへの入力(各自)
6.質疑応答

〈献立作成講座B〉
1.献立作成講座Aの振り返り
2.治療食(展開食)のポイント
3.展開食を検討するグループワーク
(エネルギー管理、塩分管理、たんぱく質管理、軟菜食・嚥下調整食管理)
4.質疑応答

献立作成講座A

献立のポイント

まずは献立作成をする際に気を付けたいことや心がけたいポイントを学びます。

栄養価はもちろんのこと、見た目の美味しさや食材の価格、衛生的で安全であるか、調理能力や調理方法に無理はないか…といったあらゆる点を考慮する必要があります。
特にここ最近は食材の価格が高騰しているため、決められた価格のなかで献立を立てる大変さなどは先生ご自身も実感されているようでした。

給与栄養目標量と食品群別荷重平均栄養成分

まずは「給与栄養目標量」と「食品群別荷重平均栄養成分」について教えていただきました。

日頃献立作成の業務に携わっていたとしても、きちんと理解して説明ができる方は少ないのではないかと思います。
私自身も過去に献立作成の業務を行っていましたが、サイクルメニューをそのまま引き継いだ形でしたので、実は献立作成の基本を理解できていなかったことに改めて気付きました。
給与栄養目標量の算出方法や、食品群別荷重平均栄養成分について分かりやすく教えていただけるので、学び直したいという方におススメです。

食品構成表

次に食品構成表について解説していただきました。

食品構成表とは給与栄養量(1人1日または1食当たり)を食品群ごとに使用量に置き換えて示した一覧のこと。
食品構成表の量をもとに献立を作成すると、効率的に作業ができ、また使用量のムラも防ぐことができます。
先生からも「食品構成表は地図のような役割をする」と教えていただき、栄養バランスの指標となる大切なものであることを改めて実感できます。

献立作成のワークと栄養価計算ソフトへの入力

ここまでの準備ができたらいよいよ献立作成のワークの時間です。

最初に教わった献立作成の際のポイントを再確認し、「高齢者が多い病院を想定した一週間分の献立表」を先生が献立例として示して下さいます。

その後、エネルギー量と対象者等のお題をもらって実際に3日分の献立を各自で考えていきます。
3日分の献立が決まった後は、その献立をソフトに入力します。

PCがない方や、ソフトをインストールできない方は弊社の用意したPCの遠隔操作にてソフトを使用してワークに参加することができます。
初めてソフトを操作する方でも、随時質問しながら進められるのでご安心ください。

献立を入力した後は、先生からの献立添削とアドバイスが受けられます。
例えば、病院で勤務をされている栄養士さんからのお悩みで、
「野菜の和え物を提供する際、盛り付けた後に離水してしまうことがある」場合の解決方法として
「水分を吸ってくれる食材としてツナフレークやおからパウダーを混ぜると離水しにくい」といった、先生の実体験をもとにしたアドバイスがありました。

時間内に作成できなくても、完成した献立表を後日セミナー事務局までお送りいただいた方は、先生からの添削とコメントを添えてお返しさせていただきました。

献立作成講座B

献立作成講座Aの振り返り

まずは、A講座の振り返りから始まります。献立作成をする際に気を付けたいことや心がけたいポイントをおさらいしながら、献立作成の手順を再度確認します。

治療食のポイント

治療食の献立作成で重要なポイントは、ベースとなる基本献立の完成度です。
ここの基本献立がブレていると治療食に展開したときに全体がずれてくるため、完成度をあげるための条件をいくつか教えていただきました。

そして、ここでもやはり重要なのが「食品構成表に概ね沿っているかどうか」ということ。
やはり“地図”としての役割を果たしてくれるということなんですね。
「完璧は求めないけれど、“うん、よしよし”ときちんと納得できるものであることが大切」という先生の言葉に、完璧じゃなくても大丈夫なんだと励まされるような気持ちにもなりました。

治療食への展開を検討するグループワーク

治療食への展開では、エネルギー管理、塩分管理、たんぱく質管理、軟菜・嚥下調整食管理の対応方法を学びます。

各治療食のポイントについてはここであまり詳しくご紹介することができませんが、各グループワークに分かれて相談しながら治療食へと展開していき、代表グループによる発表と先生による評価や振り返りを行っていきます。

今回のグループワークでは、それぞれ違った業種でご活躍されている栄養士さん同士との意見交換ができる場にもなり、活発な意見が交わされていました。
障がい者福祉施設にお勤めの栄養士さんのから、「朝ごはんを何よりの楽しみにされている対象者様が多い。仕事に行きたがらない方でも朝ごはんを毎朝の楽しみに起きてきてほしいという想いがある。そのため、展開食を検討する場合も朝食の満足度を下げない献立にしたい」というお話しがありました。

先生からは、それぞれの施設の想いや方針に沿って献立を立てることも大切であり、そして「常に食べる人のことを想像しながら献立を立ててほしい」という想いも伝えていただきました。

AB講座ともに、日頃感じている悩みや疑問点について、沼倉先生がこれまでの実体験をもとに丁寧にアドバイスをしてくださいます。
献立作成に日々携わる方もこれから携わるという方も、講座を受講することで献立作成の面白さや奥深さなどを感じていただけるのではないかと思います。
詳しく聞いてみたいという方は、ぜひ次回の献立作成講座をご受講ください。

参加者の声(一部抜粋。記述は回答のまま)

〇最近献立作成に携わりはじめてよくわからないまま献立作成を行っていたが、荷重平均や食品構成表からどのくらいの食材を年間に使っているのか把握することで使用したら良い食材を知る等理解が深まりました。
〇実際に添削していただけ、質問にも的確に答えていただけて大変勉強になった。
〇グループワークがあることで、他の栄養士さんと話しながら献立を展開していけたのは勉強になったし、楽しかったです。それぞれの施設や病院ではどう対応しているなども合間で聞けたのも良かったです。
〇食べる人の気持ちを第一に考え、美味しくて心も体も回復するような食事を作ることが大切だと分かりました。病院食はとても幅広くて大変でしたが、有意義な時間になりました。
〇沼倉さんの経験を踏まえた具体的なお話がとても分かりやすく、展開のポイントを知ることが出来ました。 実際に栄養計算ソフトを使用することも出来たので、数値を確認しながらワークができたのは、良かったです。

Dietitian Jobでは今後も栄養士・管理栄養士の皆様の日々の業務に少しでもお役に立てるセミナーを開催していきます!ぜひご参加ください!