スポーツ栄養講座

こんにちは!
Dietitian Job運営会社、東洋システムサイエンスの管理栄養士 粂内です。

今回は、2024年5月19日(日)に実施した「スポーツ栄養講座~いろは編&ベーシック編~」の様子をご紹介いたします。

本講座は、これまで多くのアスリートのサポートをされてきている河谷彰子先生を講師としてお招きし、zoomを使ったオンライン講座として実施いたしました。
スポーツ栄養を通し、対象者に合わせた行動変容を促す力や様々なアプローチ方法を学べる講座となっております。

当日のラインナップはこちら
『いろは編』
1.スポーツに関わる栄養士として勉強しておきたいこと。
2.アスリート食の献立作成ポイント
アスリートの食事の基本・エネルギー量の算出方法・エネルギー比率
3.持久力アップの食事
トレーニングと食事・グリコーゲンローディング
4.筋量アップの食事
トレーニングと食事・たんぱく質・成長ホルモン・サプリメントとしてのプロテイン
5.上手な補食の選択方法
コンビニの上手な使い方。
6.行動変容を促そう!

『ベーシック編』
1.必要とされている栄養士像
2.アスリートへのアドバイスの留意点
ジュニア期・トップアスリート
3.減量時の食事
炭水化物と脂質・減量種目
4.熱中症対策
水分補給のタイミング・食事・その他
5.遠征先の食事
メニュー・レイアウト
6.最近のトピックス

『いろは編』

スポーツに関わる栄養士として勉強しておきたいこと

まず初めに先生から「スポーツ栄養とはどのようなもので、栄養士に何が求められるか」という問いかけがあり、勉強しておきたいこととして①献立・調理 ②専門知識 ③カウンセリング・コンサルティングの3つの要素を挙げていただきました。

①献立や調理は栄養士として身に付けておくことが前提として、②専門知識とは担当する競技自体や運動生理学などでスポーツ栄養士として欠かせない内容です。
③カウンセリング・コンサルティングにはコミュニケーション、観察力、資料作成能力が含まれ、相手との信頼関係を築くことに必要です。

ただ、上記の内容は決して「スポーツ」に限った話ではないのでは?とおっしゃっていました。

アスリート食の献立作成時のポイント

アスリートはオフシーズン・シーズン中、試合前後、合宿時などタイミングに応じて食事の目的や優先順位が変わってきます。
そのため「目的」「確認事項」「優先順位、注意事項」「メニューの工夫」「カウンセリングのポイント」を時期ごとにまとめておく事が必要であると教えていただきました。

体づくりのためにたくさん食べてほしいのでご飯のおともになる副菜を数種類用意したり、暑くて食欲が出ないときに少しでも食欲がわくメニューや、コンパクトにエネルギーを取れるメニューを考えたりしているとのことで、講義では河谷先生が実際のメニュー案を見せてくださいました。

種目別に異なるエネルギー所要量の算出方法と、その目安量を先生お手製早見表で見せていただきました。

持久力アップの食事/筋量アップの食事

ひとくちに「スポーツ」といっても、何の目的でどのようなトレーニングを行うのかとその際の食事のポイントは異なります。
持久力は「グリコーゲンローディング」、筋力は「タンパク質・成長ホルモン」をキーワードとして具体的に解説していただきました。

また、プロテインの種類や、上手な補食のタイミングとコンビニ等で買えるゼリー飲料やパック飲料の選び方、各種サプリメントの使い方を教えていただきました。

行動変容を促そう!

怪我をしにくい身体になりたい中学生サッカー少年の例をあげ、実際に参加者の皆様にアドバイスをしていただきました。
相手に理解してもらい実行してもらうために、対象者が何に困っていてどうなりたいのかに対して「実行可能なものから一つずつ」アドバイスをしていく事が必要だとわかりました。

『ベーシック編』

アスリートへのアドバイスの留意点

午後からは幼稚園から小学校低学年、小学校高学年から中学生、高校生から大人と年代別に分けたアドバイスの留意点を学びました。

小学生くらいでは親の関与が中心となるため保護者も一緒になった食育からのアプローチからはじまり、中高生頃からは食の自立に伴う自己決定のための教育や個別対応に変わっていきます。
どの年代でも保護者やご家族のサポートが必要である事と、具体的な質問が来た時にどう答えるか、先生の経験談からいくつかヒントを提示していただきました。

減量時の食事

減量期のボクシング選手の例を出して、どのようにアドバイスをするかを皆様で考えました。
決められた期間で減量しなければならない人に対しての指導手順はダイエットとはまた少し違うため、気を付けなければいけないポイントをお話しいただきました。

熱中症対策

熱中症予防・対策も重要な項目の一つです。
暑くなりだす5月から6月にかけて始める暑熱順化、トレーニング後の体温を下げる様々な手段とそれぞれの利点、水分補給のポイント、発汗による体重差や脱水状態のチェック方法等をお話していただきました。

他にも合宿時や海外でのポイント、最近のトピックスなど、様々な知識を得られる時間となりました。
紹介しきれない内容が沢山あるので、気になった方は是非次回ご受講ください!

参加者の声(一部抜粋。記述は回答のまま)

〇内容が盛りだくさんで、普段触れることの少ないスポーツ栄養の仕事をされている方の実際の話が聞けて有意義だった。
対象者の年齢や状況に合わせた説明の仕方やアプローチの仕方など参考になった。ご自身で色々工夫されて取り組んでいることが伝わってきた。
普段対象者の方に口頭で話すことも、細かいデータなどで示すと説得力も増すと感じた。
プロテインなども、実際の商品での栄養成分の違いなど細かく自分でも調べることが必要だと感じた。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
〇栄養士としての知識はもちろんですが、コミュニュケーション力、観察力、問題が起きた場合の対応力がいかに大事かという事がわかった。
〇先生の経験を踏まえてのお話はとてもわかりやすく食事を摂るアスリートの方達の笑顔が思いうかぶようでした。
〇具体例や先生の実際の経験なども交えて、様々な角度からお話を聞くことができてとても勉強になった
〇スポーツの知識もたくさん必要であることが分かりました。ありがとうございました。

Dietitian Jobでは今後も栄養士・管理栄養士の皆様の日々の業務に少しでもお役に立てるセミナーを開催していきます。ぜひご参加くださいね!