こんにちは。外部執筆スタッフの管理栄養士 長谷川晴美です。
私が出会ったSDGsにつながるボランティア活動として、前回はソーラーパネルの下で行っている生ごみ堆肥を用いた無農薬ハーブ造りのボランティアについてご紹介しました。
今回はそこで行われている生ごみ堆肥作り・段ボールコンポストについてお伝えします。
皆様の何かのお役に立てれば、嬉しいです。
SDGsにつながるボランティア活動
小田原市では、耕作放棄地にソーラーパネルをたて作物と電気を一緒に作るソーラーシェアリングを行っており、
私は、生ごみ堆肥を使って農薬や化学肥料は使わないハーブ畑を作りたいという方のお手伝いをしています。
お手伝いの内容は、自宅で生ごみ堆肥を作り、月1回は耕作や堆肥入れ、草むしり、苗の植え付けや収穫、収穫物の洗浄・乾燥などです。
SDGs17のゴールの中の「7 エネルギーをみんなに。 そしてクリーンに」「11 住み続けられるまちづくり」 に当てはまる取り組みと考えています。
生ごみ堆肥・段ボールコンポストとは
小田原市では家庭から出る燃せるごみの約40%を占める「生ごみ」の減量化を図るため、「生(いき)ごみ小田原プロジェクト」と称し、生ごみ堆肥化推進事業をスタートしました。
生ごみは 80%が水分なので、焼却処分するには大きなエネルギーを消費し、焼却灰が残ります。
一方、堆肥化すると、生ごみを「ごみ」として捨てないのでこのような問題もありません。
少しの手間で、生ごみも野菜やお花づくりに活用できる堆肥に生まれ変わります。
この、生(いき)ごみ小田原プロジェクトを推進する市民組織として、小田原生(いき)ごみクラブがあります。
小田原市環境政策課と小田原生(いき)ごみクラブが協働で普及活動を行っており、令和 4 年 4 月末現在、市内の約 6,400 世帯以上が登録し、各家庭で生ごみ堆肥化に取り組んでいます。
生ごみ堆肥は、自然の森の循環と同じ原理で作られます。
秋になると広葉樹の葉は枯れて地面に落ち、地面の微生物によって分解されて見えなくなり、地面の栄養分となります。
このような自然界の営みを段ボールの中で効率よく再現するのが 段ボールコンポストで、
基材に生息する好気性(酸素を必要とする)微生物の力で生ごみを分解し、堆肥化します。
通気性が良い段ボール箱を利用して堆肥を作る方法のひとつで、初めての方でも手軽に簡単にできます。
「あるあるの話」ですが、堆肥に入れた生ごみの南瓜の種から芽が出て、庭や畑に植え替えるとまた南瓜ができます。
素人の私が作った堆肥でも芽が出てきて、自然の生命力を感じました。
私のお手伝いをしている畑でも、南瓜の芽がひょっこり出てくるので、植え替えて南瓜エリアを作って育てています。このような楽しみも増えます。
生ごみたい肥・段ボールコンポストの作り方
材料
・基材 おがくず 7:ピートモス 3:もみ殻燻炭 2:腐葉土1(生ごみ堆肥化に適した割合)
・米ぬか(微生物のえさ)
・竹炭粉(調湿、防臭)
・水
※ホームセンターやインターネットで購入できます。
・基材、米ぬか、竹炭粉を段ボール箱に入れて、シャベルでかき混ぜます。
・お水を入れて混ぜます。手で握ってほぐれるくらいになるように、水分量を調整します。
・生ごみを入れたら全体をよくかきまぜます。
・生ごみなら何を入れても大丈夫です。
・微生物の力で生ごみを分解するので、毎日生ごみを入れても量があまり増えません
・徐々に温度が上がり(~60℃迄)、分解が進みます
・虫を寄付けないためカバーをして、水分過多と臭いに注意しましょう
・基材がべとついて温度が上がりにくくなったら、終了のサインです
・できた堆肥は、生ごみをよく分解させるために1~2か月そのまま置いて、熟成させてから使います。
段ボールコンポストの良い点・悩みごとの原因・対策
良い点
・段ボールは空気の出入りがよく、生ごみの水分を逃がすので、電気を使わず微生物の力で生ごみを分解できる
・通常は匂いがしない
・軽量で持ち運びしやすい(毎日ごみを入れても量があまり増えない)
・場所をとらないので、ベランダや室内にも置ける
・箱が壊れたら、代わりの箱を入手しやすい
悩みごとと原因
1.臭いがきつくなるときがある
・生ごみ分解時に発生する臭いと、べたついた状態で発生する腐敗臭等で、水分が原因
2.虫が発生するときがある
生ごみの臭い、生ごみが分解する過程で発生する臭いに、ハエやミズアブが引き寄せられて卵を産み付けることが原因
対策
・乾き気味に管理する。生ごみの水切りをしっかりする
・魚の内臓等は熱湯を通す
・基材を追加し吸水させる
・竹炭粉(炭)を追加して吸湿・消臭する
・米ぬかや廃食用油を追加して温度を上げ、水分をとばす
・えひめAI(環境浄化剤)で消臭する
※えひめAI(あい)は納豆、ヨーグルト、ドライイースト等を発酵培養した液体で、すべて食べられるもので作られており、自宅でも作ることができ安全で安心して使えます。
心身のケアの一環として
栄養士・管理栄養士は、ゴールデンウイーク・お盆休み・年末年始等、休めない人が多いのではないでしょうか。
私も、病院や介護施設で働いているときはそうでした。
プライベートでスーパー等の買い物や外食をしているときや、テレビを見ている時でも、献立に使えるものはないかとアンテナを張り巡らせ、仕事中心の生活でした。
若さもあったので、特につらいという感覚もなく、疑問も持ちませんでしたが、
振り返ってみると、そのような行動が、実は心身ともにすり減らしていたように思えます。
仕事以外の違うことをやることが、特に脳の疲労を軽減させます。
また、自然と触れ合う機会がもてると、さらに心身の健康につながります。
今の私にとっては、このボランティアがそれにあたります。
ボランティア活動までしなくても、空を見上げることや、花を見て季節を感じることでもOKです。
ぜひ、人様のことだけでなく、ご自身が心身ともに健康でいられるよう、リフレッシュ法を見つけて、お過ごしいただけたらと思います。
次回以降は、リフレッシュにも効果的な、ハーブ畑の収穫物から作る精油やティー等についてご紹介する予定です。