こんにちは。外部執筆スタッフの赤松るみです。
特定保健指導をしていて、それほど揚げ物を食べていないのに体重が減らないというメタボリックシンドロームの方とお話することはありませんか?
そういう方に多いのは、「見えない油」を摂りすぎているケース。食事から摂取する油には、「見える油」と「見えない油」があるのです。
見える油とは
植物油やバターなど、調理で使う油のこと
例)オリーブオイル、サラダ油、バター、マーガリンなど
見えない油とは
食品に含まれている油のこと
例)肉の油(白い部分)、乳製品、レトルトカレーやインスタントラーメンなどの加工品、菓子類など
厚生労働省が実施している国民健康・栄養調査によると、日本人は脂質摂取量全体のおよそ8割を「見えない油」、残りの2割を「見える油」から摂取しているとのことです。
ですから、食事を聞き取る際は、普段なにげなく見えない油を摂りすぎていないか伺うことをお勧めいたします。
主菜は肉が多いのか、魚が多いのか。肉が多い場合は脂が多い肉を好んで食べているかどうかなどを伺うと、実はけっこう油を摂っていることに気づいていただくことが多いです。
見えない油が多く含まれている食品をいくつか挙げたのでご覧ください。割合は、総エネルギー量に占める、脂質の割合を表しています。
【見えない油を多く含む食品の脂質の割合】
ロールパン 約26%
クロワッサン 約53%
ヨーグルト 約44%
チーズ 約67%
豚バラ肉 約82%
ソーセージ 約81%
ベーコン 約87%
レトルトカレー 約53%
アイスクリーム 約40%
チョコレート 約73%
など…
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
アイスクリームやチョコレートなどの菓子類に多いのは想像通りですが、一見ヘルシーに思われるヨーグルトは40%以上も脂質が含まれているなんて、意外だと思いませんか?
例えば朝食に、トースト、スライスチーズ、ソーセージとヨーグルトを食べてカフェラテを飲むと、かなりの脂質を摂ることになってしまいます。
それでも、こういった朝食に油が多いと自覚している人はほとんどいらっしゃいません。
見えない油に多く含まれる飽和脂肪酸や加工油脂は、中性脂肪やLDLコレステロールを増やすとされているので摂りすぎには注意が必要です。
肥満の方、中性脂肪やLDLコレステロール値が高い方が見えない油を多く摂っておられる場合は、以下のようなお食事をお勧めしてみましょう
パン⇒ご飯
ソーセージ⇒サラダチキン
バラ肉⇒赤身肉
肉⇒魚
サンドイッチ⇒おにぎり
カップラーメン⇒お弁当 など
朝食がパン食の場合は、ご飯と味噌汁に納豆や卵といったご飯食にするだけでもかなりの油を減らせます。
油のすべてが悪いわけではありません。見える油には必須脂肪酸やビタミンなど、身体に必要な栄養素も含まれています。
油を何もかも避けて頂く必要はありませんが、健康診断の結果を悪化させるほど見えない油を摂っている場合は、油の量を適量に近づけて頂けるといいですね。
赤松るみ
管理栄養士/健康食育シニアマスター/食育ライター
36歳まで不健康な会社員として過ごした結果、心と身体に不調を感じて退職。人と自分自身を健康にしようと、36歳で栄養専門学校に入学。41歳で管理栄養士免許を取得し、現在は年間500名以上のメタボリックシンドロームの方に食事指導を実施している。3食しっかり食べて、体型と健康を維持する食事法を、毎日のInstagram投稿、YouTube、ブログなどで発信中。食育セミナーやライターとしても活動している
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