企業で働く管理栄養士のお仕事紹介part2 ~ヘルスケアアプリでオンラインダイエット指導~

こんにちは。外部執筆スタッフの福永美幸です。

前回は、「遺伝子体質別の食事指導」の業務について書かせていただきましたがご覧いただけましたでしょうか。
今回は「ヘルスケアアプリでのオンラインダイエット指導」の業務についてご紹介させていただきます。

予防ヘルスケア×AI(人工知能)に特化したヘルステックベンチャーで、アプリ開発などを行う会社でした。
多くの事業部がある分、デザイナー、一般職、フィットネストレーナーなど多職種が勤めておりましたが、エンジニアの割合が多く、管理栄養士は全体の1割程でした。

その中で私が業務に携わっていたのは、オンラインでマンツーマンの食事指導を行う業務とモバイルアプリケーション事業でした。

1. オンラインでのマンツーマン指導

お客様のお悩みや目標を伺い、その為にはどのように日々の食事を変化させたら良いか、アプリケーションを通じてメッセージのやり取りを行い、家庭教師のように二人三脚となって食事へのアドバイスを行うというものです。

間食も含め、1日の中で口にしたものは全て写真やテキストで報告していただき
「この食事にあと一品○○を使った料理をプラスすると代謝効率がUPしますよ」
「脂質の摂取割合が多いので、メインは1/3量にして野菜を+1/3量増やしましょう」
などの具体的なメッセージを送ります。

また、事前に質問をいただいていれば、夜の飲み会の時に注意すべき点、お昼はコンビニ予定だけど何を選ぶと良いかなど、食事前にアドバイスを行うことも可能でした。

2. モバイルアプリケーション事業

こちらに関しては、スマートフォンアプリのプッシュ通知として体重や食事の記録を促す文章の作成や栄養情報の提供など、いわゆるAI(人工知能)の裏側の制作で、エンジニアと二人三脚で開発に励む毎日を送っていました。

プッシュ通知一文にしても、アプリユーザーの年齢層を割り出したり、絞り込むターゲットにより文末を「~だよ」よりは、「~ですよ」などの敬語にするか、利用する言葉のニュアンスを変えるかなど、チーム内での打ち合わせも多かったです。

また、課題として「とにかくアプリを開き利用してもらう」という大前提があったので、歩数記録から算出された消費エネルギー量や、クイズ形式にした栄養や身体に関わる情報をプッシュ通知として送っていましたが、送信する文章のパターンや、提供情報の種類もたくさんの幅を持たせることが必要した。

管理栄養士でアプリの制作に携わるということがとても新鮮で刺激的でした。

■苦労したこと

食事指導に関しては、これまでの経験を活かすことができ、また企業ならではのメソッドで学べる事も多く、知識が増えた点ではやりがいも大きかったです。

アプリ開発については、一緒にやっていくのはエンジニアの方々ということで聞きなれない専門用語が飛び交う中、管理栄養士としての知識以外の能力が求められる業務だった為、いくつもの専門書を読んだりネット検索をしたり、インプットから始めることがとても多かったです。

■やりがい

お客様からのフィードバッグが返ってくることや、目標への成果が得られることにやりがいを感じました。

今はネットで検索をすれば色々な情報を得られる世の中のため、既に知っているような「情報」をお伝えしてもあまり響きません。
オンラインで迅速に対応ができる食事指導では、「知識としては分かっているけど、じゃあ目の前の食事だったらどうしたらいいの?」という、実践の部分での手助けができます。

参考になる、今回は無理だけどこれからはそうします、などといったお客様の声を聞けると、小さなことでも役に立つことができた、という喜びや満足感のような気持ちがありました。「理想的な食事」ではなく、「その人の食習慣の中ではどんな工夫ができるのか」のアドバイスが行えることはとても気持ちの良いものでした。

アプリ開発の方でも、自分が作成したプッシュ通知の開封率が伸びたり、毎日利用するユーザー数が増えたりと、数値での評価ができるので自信に繋がり、もっと良いもの作ろう、次はこんなことやってみよう、といったやる気も増していき楽しかったです。

■最後に

現場で働く管理栄養士はエッセンシャルワーカーとして、とても重要な役割、任務を日々行っていると思います。
給食委託会社や病院、特養以外での管理栄養士の業務は少し珍しいかもしれませんね。

ライフイベントにより、働く条件が変わることも多くあるかと思います。ご紹介したように、デスクワークを中心とした管理栄養士の仕事もあること、持っている知識や経験を提供する場は数多くあることに目を向ければ、理想的な働き方が選択のきっかけにできるかと思います。

今回のお仕事紹介が少しでも皆さんの参考になると嬉しく思います。