こんにちは。外部執筆スタッフの赤松るみです。
特定保健指導を受けるメタボリックシンドロームの人の中には、カロリーコントロールをしても痩せにくい人がおられます。
欠食があったり、食事を減らしすぎていたり、朝食と昼食を簡単に済ませているなど、エネルギーの過剰摂取よりも栄養不足が肥満に繋がっているケースがあるのです。
摂取エネルギーが少ないのに肥満の場合、消費エネルギーが少ないということになります。
ただ、消費エネルギー=身体活動量だと思って運動目標を立ててもうまくいきません。なぜなら、消費エネルギー=活動量ではないからです。
消費エネルギー全体のうち、体を動かして消費できる身体活動量は約30%。残りの約60%は基礎代謝、食事をとって消費できるエネルギーである食事誘発性熱産生は約10%。
活動量以外で消費するエネルギーのほうがずっと多いのです。
栄養不足タイプの肥満を解消する際は、基礎代謝や食事誘発性熱産生を上げる必要があります。
そのためには「適切に食べて代謝を高める」提案が必要です。そこで今回は、カロリーコントロールだけではない、メタボリックシンドローム改善のポイントについてまとめました。
【代謝を高めるためのメタボリックシンドローム改善ポイント】
(1)3食、食べる
消費エネルギーの中でも割合が高い基礎代謝は24時間、眠っている間も消費されるエネルギーです。
体は内臓を動かしたり、体温を保つため常にエネルギーを必要としています。
食事を抜くと基礎代謝が下がり、じっとしていても消費できるエネルギーが減ってしまうのです。食事は3食食べることが大切です。食事回数が増えると食事誘発性熱産生も増えますね。
(2)主食・主菜・副菜を揃えて食べる
朝食や昼食はパンだけ、おにぎりだけなど、主食のみですませる人が多いですが、主菜・副菜も毎食摂る必要があります。
主食はエネルギー源、主菜は筋肉・血液など体の材料、副菜は代謝をサポートする栄養素とそれぞれ役割が違うため、セットで摂ることが大切だからです。
コンビニエンスストアや外食で、どのようにすれば主食・主菜・副菜を揃えられるかを具体的に提案できるといいいですね。
(3)朝食:昼食:夕食の配分を1:1:1~3:4:3にする
メタボリックシンドロームの人に多い食事パターンは、朝食や昼食は軽め、夕食はしっかり、です。
上述の通り、体は朝からエネルギーを必要としています。
また、日中は夜よりも活動量が多く、より多くのエネルギーを必要としているのです。その時間帯の食事量を減らすと、エネルギー不足になり代謝が下がります。
3食の配分が夜に偏っている人には、朝食と昼食を増やし、夕食を適量内におさめる提案が大切です。
(4)食事は就床の3時間前までにすませる
眠っている間、私たちの体は古くなった細胞を新しい細胞に作り替える新陳代謝を活発に行います。
ところが未消化物が体内にあると、新陳代謝が妨げられ、眠っている間の消費エネルギーが減ってしまいます。
食事は就床の3時間前までを目安に済ませるように伝えましょう。夕食が遅くなった時は、消化に時間がかかる脂質を控えることに加え、タンパク質も摂りすぎないよう注意を促す必要があります。
(5)食事間隔は8時間以内にする
食事間隔が開きすぎると、栄養不足になった体は飢餓状態だと感じて消費エネルギーを節約しようと基礎代謝を落とします。さらに次に摂った食事を脂肪に合成しやすくなるのです。
残業などで夕食が遅くなる時などは、夕方に補食を摂って代謝が落ちるのを防ぐようお伝えするといいでしょう。補食を摂った場合は、その分を遅い時間の夕食から減らすことが大切です。
さらによく噛んで食べることで、唾液がしっかり出て栄養の消化・吸収がよくなるだけではなく、あご周りや胃腸がよく動き、食事誘発性熱産生を増やすことにも繋がります。
代謝を上げて痩せやすい体に
基礎代謝や食事誘発性熱産生を増やすための提案は、消費エネルギーとして数値化することはできません。
また、摂取エネルギーを増やす提案になることもあります。そのため、「〇㎏減」といった明確な減量目標にならないことも多く、提案するハードルは高いかもしれません。
それでも、「代謝を上げるためには栄養を適切にとる必要がある」ということは、しっかりお伝えする必要があります。
「メタボリックシンドローム」とは日本語で「代謝異常症候群」です。代謝を上げて痩せやすい体になっていただく提案をしていきたいですね。
この記事の内容について、以下の動画でさらに詳しくご紹介しています。よろしければご覧ください。
【管理栄養士が解説】メタボリックシンドロームの改善法(前半)~代謝を落とさない食事と生活のポイント
https://www.youtube.com/watch?v=DscT7g7c9CQ&t=0s
【管理栄養士が解説】メタボリックシンドロームの改善法(後半)
~痩せやすい食事と運動7つのポイント~
https://youtu.be/sWwCjfH4AW8
赤松るみ
管理栄養士/健康食育シニアマスター/食アスリートジュニアインストラクター/ライター
36歳まで不健康OLだった経験をもとに、3食しっかり食べて、体型と健康を維持する食事法を提案。年間500名以上にメタボリックシンドロームの人向けの個別栄養サポートを実施。お米を中心にした食事によるダイエット法を伝えるセミナーや講演活動も開催している。
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