こんにちは!東京人材事業部 加藤です。今回のテーマは『夏の食中毒』についてです。
夏の食中毒といえば細菌によるもの……
なんですが、
ちょっと変わった形の食中毒の事例もありますので、併せてご紹介させていただきます。
それは梅雨の灰色な世界に色を添えてくれるアジサイによるものです。
この時期の水羊羹や水まんじゅうといった涼しげな和菓子の商品紹介用の写真には笹だったり青モミジだったり鮮やかな緑の葉が添えられていることが多いですね。
お客様がいらっしゃるとき、それをまねてこれらのお菓子を見栄え良く出そうとして、ちょうど良い季節だし、庭から『アジサイの葉』をもってきて……
というのはお勧めできません。
それというのも『アジサイ』には毒があり、実際に『アジサイの葉』を原因とした食中毒も発生しているからです。
『アジサイ』には古くから、青酸配糖体を含むと言われていますが、それも定かではありません。
嘔吐性アルカロイドの可能性も指摘されていますが、そちらもはっきりとはしていません。
一説には生えている土地の成分が影響する、ともいわれていますが・・・はてさて、実際はどうなのでしょうか。
添えられるだけなら影響はないかもしれませんが、実際に添えてあったから食べてしまって、2件も食中毒が起きています。
参考:厚労省HP「有毒植物による食中毒に注意しましょう」
毒のある植物を、食用できるものと間違えて食べてしまう、なんていうのは春先の山菜や秋のキノコだけかと思いきや、こんな形でも有毒植物による食中毒が起きてしまうんですね。
さて、意外なところの夏の食中毒のご紹介も終わったので、いよいよ夏の食中毒の本命、細菌による食中毒の話。
気温が高く、湿気もある環境は細菌が繁殖するにはもってこいの季節。
有毒植物は見分けて食べなければ防げますが、目に見えない細菌によるものはそれでは防げません。
そこでよく言われるのが食中毒予防の三原則、
『食中毒菌をつけない・ふやさない・やっつける!』
というものです。
栄養士の皆様なら「もう耳にタコ、何をいまさら」かもしれませんね。
でも実際に厨房内で働く調理師さんやパートの皆さんはこの三原則を徹底していない方もいるようです。
というのも、以前お取引のあった委託給食会社様からのご依頼にこんな話が。
その委託会社様が請け負った事業所で、従業員に毎月衛生教育をする際に使用するテキスト作製のご依頼でした。
そこで毎月衛生に関するネタを考え、あの手この手で最近発生している食中毒の傾向や、HACCPシステムに基づく職場環境整え方の話の資料などいろいろ提案させて頂きました。が、
会社様からリクエストされたものは
- 手の洗い方
- 食品の取り扱い方
- 食中毒を引き起こす細菌の種類とその対処法
といったまさにこの三原則にのっとった内容でした。
夏の暑さの中、食中毒細菌は元気になるけれど、気温の高い厨房でお仕事される方々はぐったりして注意力も散漫になりがちです。
『あ~、めんどくさい。いいよいいよ大丈夫!同じことしても毎年平気だったんだから』
とついうっかりをしがちです。
でもそのついうっかりが、もしかしたら大きな事故につながってしまうかもしれません。
そうなってしまう前に、今一度
『食中毒菌をつけない・ふやさない・やっつける!』
を徹底していきましょう!!
参考:厚生労働省HP「食中毒」