こんにちは。外部執筆スタッフの福永美幸です。
今回は企業で勤める管理栄養士のお仕事経験談として、「遺伝子体質別の食事指導」に関する業務を紹介させていただきます。
私は、定額制エステサロンでDNA×栄養学をコンセプトにした美容・健康コンサルタント業務を行っていました。
主なお客様はエステサロンに通う方で、ダイエットと美容を意識している方が多く、女性の割合が高かったです。
■遺伝子体質について
ヒトの遺伝子の数は約22,000個、その内40種類以上が肥満に関する遺伝子=体質型遺伝子（肥満関連遺伝子）であることが発見されています。
中でも、日本人に多く関係し研究の進んだ遺伝子型の代表的なものは・脂リスク型・糖リスク型・筋肉リスク型の3種類で、私の勤めていた企業ではノーリスク型なども含め全部で8タイプに分けて対応していました。
例えば、脂リスク型の遺伝子を多く持つ方の場合は、脂質を燃やす働きが苦手で、お尻や太ももに皮下脂肪が付きやすく下半身が太りやすい特徴があります。
普段の食事では脂質を控えることと脂質を燃やす栄養素の摂取が必要であること、皮下脂肪の付きやすい下半身にアプローチする運動や、エステでは下半身を温める施術やマシーン使用が効果的であるなど、遺伝子体質に合わせた取り組みをすることで結果にも繋がりやすくなるとお伝えしていました。
肥満遺伝子のみではなく、抗酸化ストレス、高血圧、動脈硬化体、骨粗しょう症、アルコール依存、毛髪などに関する体質も解析できる為、病気に繋がるリスク早い段階で知り、食習慣や生活リズムを振り返る気づきにもなります。
■管理栄養士の業務内容
冒頭で紹介したように、メインのお客様はエステサロンに通う方で、美容・健康・ダイエットに興味のある女性の方が多いです。
最初にエステサロンにて遺伝子解析キットで検査をしていただき、私たち管理栄養士にお客様IDに紐づいた検査結果が届きます。
お客様には検査と同時に普段の食事内容（3日間分の口にしたもの）を細かく記載していただいているので、その内容も踏まえ、分析した検査結果に合った食事内容をアドバイスBOOKとして作成します。
3日間のお食事内容に赤ペンでOK/NGなどを記載したり、栄養バランス分析の結果で過剰となっている栄養素をとり続ける事のリスクや不足栄養素はどんな食材に含まれているか、不足していることで身体に生じる症状の紹介など、各栄養素の基本をお伝えします。
また、その人の遺伝子的にどんな食材を控え、どんな食材を多くとったらよいか、朝・昼・夕・間食のおすすめpointなども記載している為、その人だけの一冊となります。
■やりがい、感じたこと
遺伝子体質に関して全く無知の状態で入社したため、とにかく最初は勉強につぐ勉強の毎日でした。
ひたすら遺伝子体質や栄養素の働きについてなど資料を読み漁り、文章力も必要だったので、先輩管理栄養士の作った内容も何回も読みました。
努力した分、言い回しや語尾の使い方など含め、多くの知識を得ることができ、アドバイスBOOK作成を任せてもらえるようになったのは入社3ヵ月頃からだったと思います。
この経験がバネとなり、その後の働き方にも大きく影響していることは、今となって物凄く実感しています。
エステサロンに実際に行き、お客様のカウンセリングを行ったり、サロンスタッフ向けの栄養学の勉強会の講師などにも携わらせていただき、現場の声を聞く機会があったこともより良い成果に繋がっていたと思います。
最初、知識のない自分にできるのかな？という不安はもちろんありましたが、やってみたい！チャレンジしてみたい！という気持ちが勝ったことが、自身の背中を押すきっかけになったのだと感じています。
■求人はどこで見つけたの？
前職では給食委託会社で4年程勤務をしており、家庭の事情で退職することを選びました。
次は現場ではなく企業で働いてみたいと思い「管理栄養士 企業 未経験」、「管理栄養士 未経験OK デスクワーク」など検索を続けている中で見つけたものでした。
起業したばかりの少人数の会社だった為、初回の面接から社長面接となりとても緊張しましたが、社長のオーラと会社に対する熱意に圧倒させられここで働きたい！と面接時に強く感じたことも印象深く残っています。
■転職・再就職に悩んでいる方に伝えたいこと
次の仕事を探すとき、経験を活かして同じような業務内容の職場を探す方が多いと思います。
もちろん、ステップアップとして経験を積み上げられることはとても素晴らしいことですよね。
正解はありませんが、未経験の分野に飛び込み、がむしゃらに一から学ぶことも学生を卒業してからではなかなか経験のできないチャンスでもあります。
経験はお金で買うことができない、あなただけの宝物です。
たくさんの経験が知識だけではなく、その人自身の成長や磨きにも繋がると思いますので、新しいことにチャレンジするには、不安よりも勇気を持って一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。