薬剤耐性(AMR)マイコプラズマ肺炎とは?

こんにちは、執筆スタッフの髙橋美枝です。

冬といえば、、、インフルエンザ、風邪、肺炎と感染症が流行する時期です。特に小さなお子様を持つ方にとっては、この時期を超えるとほっとする方も多いのではないでしょうか。

ところで、私が大人になってから驚異的だったと思える感染症があります。それがマイコプラズマ肺炎です。この肺炎は一般的な肺炎よりも重症化することは少ないといわれ、大人よりも子供がよくかかる肺炎の1つともいわれています。

今回は、栄養士の皆様には直接、関係のないお話かもしれませんが、薬剤耐性が世界的にも問題になっておりますので、その点をふまえ薬剤耐性と私が体験したマイコプラズマ肺炎をあわせてご紹介します。

大人でもあなどれないマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、冬に流行るといわれますが、夏でもかかります。

私はまさしく真夏にかかりました。

私の場合は当時、保育園だった子供から移りました。子供が罹った時、通常の風邪とは違うと思った点は2~3週間ほど潜伏期間があり、その間、子供が疲れやすかったり体調が良かったり、悪かったりを繰り返したということです。

しかしながら、人によって症状に差があるのか、子供の場合は比較的元気で、マイコプラズマ肺炎だと知らずに熱が下がってから実は・・・という感じだったので、この間は知らずに人に移す可能性が高いと感じました。

マイコプラズマ肺炎って子供しか罹らないよー!

と思っている皆様、大人でも罹ります。そして、大人がかかると重症化しやすいともいわれています。私の場合は40℃を超える熱が続き、体の震えまで起きました。

世界的に問題な薬剤耐性(AMR)

マイコプラズマ肺炎から少し話がずれますが、今、世界的に薬剤耐性が問題になっています。
薬剤については栄養士の専門外ですが、抗生剤の不適切な使い方により従来の抗生剤が効かないという話は聞いたことがあると思います。

本来、必要がない抗生剤を服用することによりその抗生剤に対する耐性を持つ可能性が高くなります。また、処方された抗生剤を中途半端に飲んで止めてしまうことによって残った菌から耐性菌が生まれ、この耐性菌が周囲の人にばらまいてしまうことにつながります。このように耐性菌が広まると、感染症に効く治療法がなくなってしまう可能性が危惧されます。

話が戻りますが、マイコプラズマ肺炎でも薬剤耐性菌が最近では珍しいものではなくなっています。マイコプラズマ肺炎の治療では、マクロライド系テトラサイクリン系リンコマイシン系キノロン系などの薬剤での治療法があるものの、通常は、マクロライド系の抗生剤が一般的です。しかしながら、薬剤耐性が問題になっている昨今、マクロライド系でも効かないマイコプラズマ肺炎が増えてきています。私の場合も、マクロライド系はいっさい効かず、4日ほど40℃の熱と、炎症反応(CRPは12)で苦しい日を過ごしました。

結局、マクロライド系ではなく、テトラサイクリン系のお薬ですぐに熱が下がり元気になりました。熱が下がってから思ったのが、テトラサイクリン系が効くなら、最初からこの薬に変えてもらいたかったと感じました。しかしながら、医師がマクロライド系のお薬が効くギリギリの線まで飲ませた理由は、マクロライド系以外の薬を頻繁に投与することが増えてしまったら、本当に効く薬がなくなってしまうかもしれないから・・・ではないかと思いました。文献にも耐性菌の肺炎であってもマクロライド系の薬が効く場合がある、耐性菌による流行が過半数を占めていない場合は、最初の選択肢としてマクロライド系の投与が基本と考えられているようです。

薬剤耐性菌を増やさないために・・・

薬剤耐性菌が世界中に増えてしまえば、一般的な抗生剤が効かなくなる可能性が高くなります。普段から適切な抗生剤の飲み方をされている方でも、世界中で薬剤耐性が蔓延したら
他人事では済まされなくなります。風邪だからといってすぐに抗生剤に頼らず、睡眠をしっかり摂り栄養バランスが良い食事を摂るということが大切だと感じます。

やはり、栄養士の役割はとても大きいですね!!

ところで、テトラサイクリン系のお薬を飲んで元気になったその後ですが・・・治った次の日に、電車に乗って保健指導に行ったところ、別の肺炎にかかってきてしまいました。

治ったからといってすぐに仕事復帰は良くなかったようです。治りたてに無理すると、別な肺炎にかかりやすいそうです(医師談)

皆様も感染症には気を付け薬剤を飲む時は、ぜひ耐性菌のことを少し考えてみて下さい!

参考:
モダンメディア 53巻11号2007
薬剤耐性マイコプラズマの現状と今後の展望