こんにちは。執筆スタッフ 管理栄養士の神宮です。
吹く風もさわやかな秋晴れの日が続いています。天気の良い日は思い切り外で体を動かしたくなりますね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
10月のイベントといえば…
『ハロウィン!』と答える方も多いのではないでしょうか。日本でもすっかり定着したように感じます。
ただし日本では、仮装を楽しむことがメインのようですね。
ハロウィンの本場、アメリカではどうでしょうか。
先日アメリカから帰国した友人が娘に「日本に来たのだから、近所にお菓子をもらいに回ってはいけないよ」と教えていました。
アメリカでは、10月31日の夕方になると、子どもたちは街灯がついている家を周り、「トリックオアトリード」と言いながらお菓子をもらって回るそうです。
子どもたちを待つ家庭では、家を飾りつけしたり、クイズを出題したりと、子どもたちを楽しませる様々な仕掛けを用意するとのことでした。
日本のハロウィンとはずいぶん異なり、日本は独自のハロウィン文化を築いているのだと感じます。
ただ、アメリカも日本も商業目的によるお祭り騒ぎが浸透していますが、ハロウィンの本来の目的は秋の収穫物を祝うことと魔よけの意味があるそうです。
秋の収穫物を祝うという意味合いからかぼちゃが用いられるのですね。
日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカやヨーロッパでは同様の意味合いでリンゴもよく用いられます。
日本のりんご飴のようなトフィーアップルが定番のお菓子として登場します。
また、ハロウィンの発祥の地と言われるアイルランドではコルカノンとバーンブラックが伝統料理として食べられます。
聞き慣れない料理名ですが、コルカノンはジャガイモをマッシュしたような料理、バーンブラックはフルーツケーキのようなものです。
面白いのは、どちらも指輪や金貨、布きれなどを混ぜ込み、食べる人が何を当てるのかによって占いをするのです。
そのほかにアイルランドの古代ケルド人が日常的に食していたナッツ類もハロウィン料理には定番です。
バーニングナッツといってクルミやヘーゼルナッツを暖炉に投げ込み、運勢を占うという伝統もあります。
なんだか素敵な一夜ですね。
ところで、日本にも秋に収穫祭を行う文化があります。
現在は勤労感謝の日となっている11月23日の祝日ですが、戦前までは新嘗祭という秋の収穫を祝う祝日でした。
かつては農業大国であり、お米文化である日本は、新米の収穫を祝う伝統があります。
秋の収穫物を祝い、旬の食材を味わうという習慣は、ぜひ今後も浸透してほしい文化だと感じます。
日本の秋に収穫される穀物は、かぼちゃやリンゴの他に、サトイモ、青梗菜、マツタケ、シイタケ、カボス、キウイ、柿、ブドウ、栗などがあげられます。
今年のハロウィンでは、仮装だけでなく秋の収穫物を祝い、ぜひ旬の食材に舌鼓して楽しんでみてはいかがでしょうか。
【参照】
- 鈴木登紀子 『旬の味』講談社, 2007.
- 辻村卓 他 『出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化[1]
ビタミン, 71巻2号, 1997.』 - 文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会報告 日本食品標準成分表2010