こんにちは!外部執筆スタッフの管理栄養士で乾物マエストロの資格をもつ東條尚子です。
今までの【乾物シリーズ第六弾、第七弾】で、だしの素晴らしさをお伝えさせていただきました。
今回は、そのだしをもっと手軽かつ身近に使える方法をご紹介したいと思います、
暑い夏や、仕事帰りで疲れた日には、調理の際に、火を使う場面を少しでも減らしたいと考えるものです(これは、省エネにもつながりますよね)。
そこで今回は、【乾物シリーズ第八弾】として、火を使わずに手軽にだしをひくことができる「水出し法」についてお話しさせていただきます。
水出し法について
特徴
<水出し法とは>
・だしの材料を水に浸して、だしをひく方法。
<おすすめポイント>
・「水出し法」は、時間をかけてじっくりとうま味を抽出するので、雑味が少なく、あっさりとした上品な味わいになる。
・煮出さず、ひと晩浸すだけだから、手間いらず。
・少量でも多くても、味を変えずにだしをひくことができる。
・少量使いできるから、ひとり分のみそ汁、ひとりごはんや、夜遅いごはんも美味しく簡単にできる。
・料理に合わせて、だしを組み合わせやすく、うま味の相乗効果を引き出しやすい。
準備するもの
・材料(昆布、煮干し、削り節、干ししいたけ等)
・水出し用容器(麦茶、冷茶、冷水用の容器:水出しの食材が入れやすいように、口が広めで中の削り節等が出にくいように、注ぎ口が小さいものがよい。茶こし付きのものも使いやすい。)
・水(水道水でよいが、ミネラルウオーターを使用する場合には、「軟水」と表示されたものを選ぶとよい。輸入品は、中硬水や硬水などさまざまな種類がある。硬水を使うと、アクが出やすく、個性的な味になり、だし用には適さない。)
材料・作り方
<材料>
◎昆布だし
・水…1L ・昆布(真昆布)…15g
<ワンポイント!>
水出し法でだしをとった後の昆布は、細切りにして、サラダや酢物に入れることができる。
甘辛く煮てごはんのお供にもできる。
◎煮干しだし
・水…1L ・煮干し(カタクチイワシ)…30g
<ワンポイント!>
煮干しは、頭と腹わたをとり、身を二つに割いて水に浸けると、えぐみがでない。
◎昆布と煮干しだし
・水…1L ・昆布(真昆布)…10g ・煮干し…20g
◎昆布と削り節
・水…1L ・昆布(真昆布)…5g ・削り節…20g
<ワンポイント!>
削り節は、そのまま浸けた方が風味も出やすいが、市販のだしやお茶用の不織布パックにいれてもよい。
そうすることにより、注いだ時に削り節が出ず、後始末も楽になる。
◎干ししいたけだし
・水…1L ・干ししいたけ…5~7枚(大きさによって調整)
<ワンポイント!>
しいたけの傘を下に向けて、しっかりと水に浸けるようにするとうま味がよく出る。
他にも、昆布と干ししいたけ、昆布と干しさくらえびなどの組み合わせも美味しいだしができます。
また「水出し法」では、砂糖や塩をほんのひとつまみ入れると、材料のうま味をさらに引き出すことができるという方法もあります。
列記した材料の重量は目安です。自分の好みで、変えてみてください。
<作り方>
・容器に材料と水を入れ、それを冷蔵庫に入れ、8~12時間浸けておく。
・だしができたら、材料は入れたままにしておいても、とっても、どちらでもよい。
保存方法
・常に冷蔵庫保存で、出しっぱなしにしないこと。
・冷蔵庫で約一週間、冷凍すれば約二週間保存可能。
・暑い季節は傷みやすいので、4~5日で使いきる(においに注意し、にごりや酸味が出る前に使いきる)。
まとめ
だしのひき方を考える上で重要なのは、うま味などの味成分と香り成分の水への溶解性です。
だしをひく際の加熱時間と温度により、うま味成分のグルタミン酸やイノシン酸は水に溶けやすくなるため、「煮出す」ことが風味や香りにも影響があるのは事実ですが、本日ご紹介したように「水出し法」でも美味しいだしがとれます。
これを機会にぜひ「水出し法」も試してみてください。
そして、色々な食材と組み合わせて、自分のお気に入りだしを見つけてください。気軽に楽しいだし生活をしましょう!