こんにちは。外部執筆スタッフ 管理栄養士のHOです。
食物アレルギーによるトラブルは知っていれば防げることがたくさんあります。
普段から給食に関わっている方はご存じのことが多いかもしれませんが、仕事で給食に関わっていない方に、是非知ってほしいと思う食物アレルギーの情報をお伝えします。
第4回目は、ナッツ編です。
健康ブームの影響で、ナッツはコンビニやスーパーで手軽に買えるようになり、様々な料理や加工食品にも使われるようになってきました。
ミックスナッツを買うと、くるみ、アーモンド、カシューナッツなどと一緒に(落花生)ピーナッツも入っていることがあります。
しかし、食品の分類ではくるみ、アーモンド、カシューナッツは種実類の木の実ですが、(落花生)ピーナッツは、マメ類のマメ科の植物なのでナッツ類ではありません。
ですから、ピーナッツのアレルギーであった場合に、ナッツ類をすべて除去する必要はないわけです。
ただし、種実類の同じ科に属するものはアレルギー反応が出やすいと言われているので、くるみの場合はペカンナッツ、カシューナッツの場合はピスタチオに注意が必要です。
アレルギー物質の食品表示義務があるのは、加工されて包装された容器に入っているものだけで、店舗で作って販売するお惣菜やパンなどは対象外です。
アレルギー症状をおこすことがある食品のうち発症数や重篤度が高い食品を特定原材料として7種類(卵、牛乳、小麦、えび、カニ、落花生、そば)を表示義務としていましたが、今年6月に消費者庁はこれまで表示推奨であったくるみを表示義務の食品に追加する方針であると発表しました。
現在、食品表示には、特定原材料に比べると発症数や重篤者が少ないものを特定原材料に準じるものとして表示推奨する食品が21種類あります。
それが、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、アーモンドです。
ナッツ類のアレルギー表示は、2019年にはアーモンドが表示推奨に入ってきたこともナッツのアレルギーの増加によるものです。
2021年度の食物アレルギーの原因調査では、1位鶏卵、2位牛乳、3位ナッツ類という報告となったことからも、いかに私たちの食生活にナッツ類という食材が身近になって食べられるようになったかがわかります。
「ゴマ和えだと思って食べたら、くるみがすりつぶされて青菜と和えてあった」
「野菜のドレッシングやみそだれの中にまさかくるみが入っているとは思わなかった」
など、「くるみはパンやお菓子には使われていてもまさかおかずに使われるとは思っていなかった」というケースも増えています。
くるみは、生産量が多い長野県や青森県では、普段のおかずにも使われることがあっても、その他の地域ではあまり見かけることのなかった食材でした。
しかし、栄養価の高さから注目され始め、健康情報とともに輸入量も増えてどんどん広がってきました。
くるみはピーナッツ同様、風味のよい油であるため、くるみオイルとして料理に使われることもあります。
2022年度中には表示義務になる予定ですが、落花生(ピーナッツ)同様のレベルととらえておくことは必要です。
くるみに限らずですが、購入の度に、使用する度に表示を確認すること、アレルギーのある人がいないか確認することを怠らないようにしたいものです。
参考:消費者食物アレルギー表示情報
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/