こんにちは。今回初めて執筆させていただくことになりました、管理栄養士の山田志織です。
私は公認スポーツ栄養士の資格を持っており、普段はフリーランスでスポーツ現場における栄養サポートや、企業のヘルスケア部門で健康経営に関わる仕事などをおこなっています。
中でも遠隔でのオンライン栄養指導はこれまでに3000件以上担当してきており、昨今のコロナウィルス流行以降はその需要が増加しつつあると感じています。
今回は、そんなオンライン栄養指導をおこなうにあたって知っておきたいコミュニケーションのコツをご紹介します。
<事前の準備>
オンラインでのコミュニケーションは、直接の対面と違って離れた所にいる相手とのやりとりになるため、お互いの考えや気持ちをより「伝えやすい」「受け取りやすい」状況であることが大切です。
音声や映像の乱れによっては、情報の伝達ミスが起きたり、印象の悪化にもなりかねません。
まずは良好な通信設備や騒音がない場所の確保、音声機器の準備などをして、円滑なコミュニケーションが実現できる環境を整えましょう。
音声機器はヘッドフォンタイプなど口元に近い位置にマイクがくるものがおすすめです。
イヤホンマイクの場合、長いコード部分に付いているマイクが衣類や髪に触れて、会話中にガサガサという音まで伝わってしまうことがあるので注意が必要です。
パソコンの内蔵マイクだと、手元の資料をめくる音やタイピング音などがノイズになってしまいがちです。
話し声だけがクリアに届けられる機器を使用し、始める前には通話テストをおこなって音質や画質をチェックしておくなど、しっかりと準備をした上で臨みましょう。
<好印象な見せ方・心に響く伝え方>
~話しやすい雰囲気づくり~
ビデオ通話は音声のみの電話と違って相手に顔が見えるため、画面越しに映る表情や視線に気を使う必要があります。
特に第一印象は、コミュニケーションにおける重要なポイントです。
明るく笑顔で挨拶することはもちろん、「こちらの声は届いてらっしゃいますか?」「私の方も●●さんのお顔を拝見できております」「無事につながりましたね」といった気遣いや安心感に配慮した言葉を交わしてから始めると、心の距離が縮まるきっかけになったりします。
また、アイコンタクトやリアクションも信頼関係を築く上で大切です。
オンラインの場合、アイコンタクトは相手の目ではなくWebカメラです。自分が話す際の語尾や相手に問いかける時など、ところどころでカメラに目を向けながら話すことを心がけましょう。
リアクションにもオンラインならではのコツがあります。言葉での相槌だけでなく、相手が話している時は深くうなずきながら傾聴したり、拍手をするなど身振り手振りも活用したりすることで、コミュニケーションの質を高めることができます。
~指導現場におけるアプローチ方法~
栄養指導の場合、資料を使いながら話を進めることもあるかと思います。
対面では資料を直接指差して「ここにグラフが…」などと簡単にお伝えできますが、オンラインではカメラ越しに見せながら話したり、「お手元の資料●ページのどのあたり(上の方、右端など)にどんなグラフが」と、セミナー講師のように言葉でわかりやすく示す配慮が必要になります。
画面共有機能があれば、活用するのも1つの方法ですね。
また、言葉は話し方によって印象や伝わる度合いが変わってきます。
笑顔で話せば声も明るく感じの良い聞こえ方になりますし、落ち着いたトーンで伝えることで説得力や理解度が深まったりします。
資料や原稿に沿って説明する際は、棒読みにならないように抑揚をつけることで話にメリハリが生まれます。
大事なポイントとなる部分は言葉の前後に「間」をとり、少しゆっくり話すように意識すると、強調したい言葉が際立つため相手の心に残りやすいです。
私は過去にアナウンススクールに通っていた経験があることから、マイクを通して言葉を伝えるオンライン栄養指導は抵抗なく馴染むことができましたが、それでも始めたばかりの頃は、指導で話したい内容を台本化して何度も声に出して読んだり、自分の声を録音してチェックしたりしながらスキルアップにつなげていました。
これからやってみようとお考えの方は、最初のうちは不安があるかもしれません。
しかし、オンライン栄養指導も場数を踏めば慣れていくものです。
コツが掴めれば、リアルな対面での栄養指導と変わらない雰囲気でコミュニケーションが交わせるようになりますので、ぜひ躊躇せずチャレンジしてみてくださいね♪