乾物シリーズ第7弾~昆布とかつお節~

こんにちは!外部執筆スタッフの管理栄養士で乾物マエストロの資格をもつ東條尚子です。

【乾物シリーズ第六弾】では、日本料理に関係する【だし】の種類やうま味についてお話をさせていただきました。今回は【乾物シリーズ第七弾】として【だし】の素材についてお話しさせていただきます。

日本料理で主に使われるのは「昆布」「かつお節」「干ししいたけ」「煮干し」です。
この中から今回は、出番が特に多い「昆布」と「かつお節」の種類や特徴等についてお話しさせていただきます。
「昆布」「かつお節」には、色々な種類があります。皆さんは、それぞれ使い分けをしていらっしゃいますか?

昆布について

種類・特徴

主に北海道沿岸から東北北部で採取・加工されている。
◎真昆布(南茅部)
・肉厚、上品な薄味、色が薄く、ほんのり甘いだしがとれる最高級品。
・用途:高級佃煮、塩昆布、おぼろ昆布
◎羅臼昆布
・黄色味がかっていて、味が濃い、コクがあるだしがとれる高級昆布。
・用途:煮昆布や炊き合わせ
◎利尻昆布
・濁りのない透明色、味が濃く、少し塩気があり、口当たりがよいだしがとれる高級昆布。
・用途:細切り昆布
◎日高昆布
・甘みは少なめ、くせがない。ぬるぬる感があり、柔らかく煮上がる。
・用途:昆布巻き、煮昆布、おでん

注目される成分

うま味の主成分:アミノ酸のグルタミン酸
アスパラギン酸、マンニット(昆布の表面の白い粉状のもの)、鉄分、食物繊維

保存方法

・湿気は大敵!!
・10〜15cmの使いやすい大きさに切り、密閉容器に入れ、乾燥した状態で(冷蔵もOK)。
表面の白い粉状のものは、拭き取らない。

かつお節について

種類・特徴

<かつお節>
◎生利節:煮熟(熱湯で煮る)したもの。
◎荒節:魚をおろす⇒煮熟⇒焙乾(繰り返し燻しながら乾かす)をして、水分25%以下にしたもの。
市販のパック詰めの多くはこのかつお節。
◎裸節:荒節を成形したもの。
◎枯節:焙乾後⇒カビ付けをしたもの。
◎本枯節:天日干しとカビ付けを繰り返し、水分15%以下にしたもので、最高級品。
世界で最も硬い食品と言われている。

<削り節>かつお節を削ったもの
◎厚削り
・厚さ0.2mm以上に削ったもの。だしをとるのに時間がかかるが、力強く濃い味のだしがとれる。
・用途:そば、うどん、ラーメンなどのつゆ、煮物、おでん
◎薄削り
・厚さ0.2mm未満に削ったもの。香り高く、短時間でだしがとれる。
◎破片削り
・薄削りの破片。香りが高く、口当たりがソフト。
・用途:お浸しにふりかける
◎ソフト削り
・薄削りよりもさらに薄削りの破片。
・用途:お浸しにふりかける
◎糸削り(細削り)
・糸状に削ったもの。フワッとした食感と旨味がある。
・用途:色々な料理にふりかけ、形状を楽しむ
◎削り粉
・粉末状のもの。
・用途:お浸し、みそ汁、ふりかけに

注目される成分

うま味の主成分:核酸のイノシン酸
不飽和脂肪酸のDHA、EPA、 タウリン

保存方法

・かつお節の香りは揮発性のもので、「節」から削った場合、30分で酸化がはじまり、1時間でかなり劣化が進むので、削る場合は必要量だけにして、削ったものは、しっかりと空気を抜き、密閉ポリ袋等に入れ、冷蔵庫や冷凍庫に保管。

削り方

昭和40年代ごろまでは、「かつお節削り器」(下の写真)が多くの家庭にありましたが、最近では“削りたて”が贅沢で貴重な時代になってきました。
機会がありましたら、ぜひ、「かつお節削り器」を使ってみてください。香り、風味が格段に素晴らしいです!

  • ①枯節は削る前にぬれた布巾で拭く。
  • ②削り器の刃先を自分の方に向ける。
  • ③かつお節の尾側(黒い皮がついている部分)を先に向け、頭側から削る。
  • ④尾側を斜め上にした状態で、あまり力を入れないように押し出して削る。

まとめ

昆布は、生育している海の環境でさまざまな味わいがあります。
かつお節も製造工程や形状により、違った特徴があります。パックに入ったものがたくさん市販されています。商品の説明書きも少し気にしてご覧になってみてください。
高価であればよいというものではなく、それぞれの特徴を理解して、状況や料理に合わせて使い分けることで、美味しいだし生活を楽しむことができます☆彡