皆さんこんにちは!外部執筆スタッフの赤松留美です。
「減量のため夕食は米を食べていません」
特定保健指導で利用者様からこういわれた時、みなさんはなんとお答えしていますか?
私は自主的な取り組みをしたこと自体は称賛しますが、夕食の主食抜きがダイエットに与える悪影響についてご説明するようにしています。
この記事では、夕食時の主食抜きがダイエットにおすすめできない理由と、やせやすい夜ご飯の食べ方についてご紹介します。
夜に主食を抜くと代謝が落ちてやせにくくなる
夜に主食を抜くと、はじめのうちは体重が落ちますが、次第に痩せにくく、太りやすくなります。
その理由のひとつが代謝の悪化です。寝ている間はエネルギーを消費しないと思われがちですが、十分な睡眠をとると300kcalも消費すると言われています。
夜は新陳代謝が活発なので、昼間に傷ついた細胞を修復し、体を再生することにエネルギーを消費しているのです。
新陳代謝には細胞の材料とエネルギーが必要なので、細胞の材料になるたんぱく質だけではなく、エネルギー源となる糖質も必要となります。
しっかりエネルギーが入ると体は安心して消費モードになるため、新陳代謝が活発になって、食べても痩せやすい燃焼モードになるのです。夜でも主食は完全に抜くのではなく、適度に摂るようおすすめしましょう。
では夜に食べる炭水化物は、ご飯、パン、麺、どれでもいいのでしょうか。新陳代謝に大きな影響を与える睡眠の質は、炭水化物の種類によって異なるという興味深い論文があるのでご紹介します。
20歳から60歳までの日本人の男女1848人を対象に行われた研究によると、ご飯を摂った夕食後の睡眠は深い眠りに入りやすい傾向が見られました。
パスタなどの麺類では睡眠の質が悪くなり、パンの場合、睡眠との関係に相関はあまり見られませんでした。この研究結果から判断すると、夜の主食はご飯がおすすめと言えるかもしれません。
出典:「日本人男性と女性における米、麺、パンの摂取量と睡眠の関係」Yoneyama S,et al 10.1371/journal.pone.0105198. eCollection 2014.
やせやすい夜ご飯の食べ方
やせやすい夜ご飯の食べ方は、基本的に朝食や昼食と同じですが、いくつかポイントがあるのでまとめました。
主食、主菜、副菜をバランスよく食べ、主食だけを極端に減らさない
主食だけを減らすとPFCバランスが崩れ、おかずから摂る油や塩分が増えて脂質や血圧に影響が出ることもあります。
量を減らす時は、主食とおかずのバランスが崩れないよう、どちらも減らす方がいいでしょう。
消化に負担がかかる脂質の摂りすぎを控える
帰宅が遅く就床までの時間が短い方は、消化に負担がかかるものを多く食べると内臓が休まらず、睡眠不足につながります。
主食、主菜、副菜とも脂質が控えめなメニュー選びを心掛けることが大切です。
【主食】パンやパスタのように脂質が多いものより脂質が少ないご飯
【主菜】ミンチやバラ肉より、ささみや胸肉、魚や大豆製品など低脂質で高たんぱくなもの。調理法も揚げものより焼き物、煮物、蒸し物など油が少ないもの
【副菜】サラダなどドレッシングやマヨネーズをかけるものより、お浸しや煮物など低脂質なもの
油は全く摂ってはいけないわけではありませんが、摂りすぎる傾向がある方には回数を減らすか量を減らすようにお伝えしましょう。
就床直前の夕食は、主食だけ早めに食べるか量を減らす
深夜は特に食べたものが脂肪として蓄積されやすいため、主食は早めの時間に補食としておにぎりなどを食べておくか、帰宅後に量を控えめにして食べるといいでしょう。
全く抜くのは新陳代謝のエネルギー源が減るのでおすすめできません。
夜遅めに食べるおすすめ献立
夜遅めのご飯におすすめなのは、まるで朝食のようなご飯とお味噌汁の一汁一菜です。
消化のいいご飯でエネルギーを補い、納豆などのたんぱく質で細胞の材料を補充し、具だくさんのみそ汁で野菜、海藻、きのこなどのビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることができます。
夜に主食抜きをされている方には適切な食べ方をお伝えして、代謝のいい太りにくい体を目指していただきましょう。