こんにちは!外部執筆スタッフの管理栄養士の東條尚子です。
コロナ禍で、皆さんの仕事にも色々な影響が出ているのではないでしょうか。先が見えない漠然とした不安がありますよね。
今回は、かんぶつマエストロの資格を活かして、【乾物シリーズ第三弾】として、乾物の中で種類の多い「豆」。
その中でも、日本人の生活に関わり深い「大豆」のマメ知識をお話させていただきます。
大事な大豆!!
日本人にとって「大豆」は、料理して食べるだけではなく、醤油、味噌、豆腐、納豆等の調味料や加工食品としても、とてもなじみ深い存在。
私たちの食生活を支えるものと言っても過言ではないと思います。今回は、大豆の意外な顔も紹介させていただきます。
そもそも大豆とは?
ビールのおつまみの定番枝豆を完熟させ、乾燥させ、さやから取り出したもの。
種類
●黄大豆 ●青大豆 ●黒大豆
●黒千石大豆 ●紅大豆 ●鞍掛豆
等々 種類が豊富。一番身近な黄大豆だけでも400種を超える品種があります。
生産
- 都道府県別主産量(作付面積)
一位:北海道 二位:宮城県 三位:秋田県 四位:福岡県 五位:佐賀県 六位:滋賀県
北から南まで、色々な地域で栽培されています。
≪農林水産省:大豆の主産量(作付面積)2020年≫
- 日本の自給率は
なんと7%。 大豆の自給率は、残念ながら下がりつつあります。
アメリカ、ブラジル、カナダ、中国等から輸入。
農林水産省:食料自給率2019年自給率が上がらないのは、単収(面積あたりの収穫量)が低い。
天候に左右されやすく、栽培量が安定しないから。
~もったいない話~
おからは、豆腐を作るときに、大豆から豆乳を絞ったあとの、残った部分。
たんぱく質、カルシウム、食物繊維、大豆イソフラボンなどが豊富で、栄養満点な食品ですが、食品として使用されるのは5%以下、肥料・飼料に使用されるのは45%、残りの50%は産業廃棄物として焼却処分される。(年間約70万トン)
大豆に『旬』?!
米に新米があるように、大豆にも新豆、『旬』があります。
10月中旬~12月に、その年に収穫されたものが出回ります。
新豆のおいしさは、香り。これを楽しめるのは、節分に使う「煎り豆」。
乾物の豆は、時間が経ってもそれほど味は劣化しませんが、新豆の美味しさは格別。
ぜひ、来年の節分には、それを意識して召し上がってみてください。
大豆のだし?!
精進だしには、昆布だしや干ししいたけだし等がありますが、実は、大豆のゆで汁は、だしなのです。大豆のゆで汁をひと口飲んでみてください。
豆の甘み、うまみが溶け出て、深い味わいになっています。
他のだしと合わせて使うことによって、奥行きがプラスされ、さらに料理が美味しくなります。
ぜひ、試してみてください。
大豆の栄養成分のすごさ!!
たんぱく質、ミネラル、ビタミン、大豆レシチン、食物繊維、大豆イソフラボンが豊富。
健康増進に効果が期待できる成分がいっぱい☆☆☆
だからこそ、大豆をまるごと食べていただきたい!
大豆の下ごしらえ
調理前に下ごしらえが必要なので、手間がかかると考えてしまう方が多いですが、実は、とっても簡単!(ちょっと時間は必要ですが、手間はかかりません。)
① 洗浄:表面の汚れをさっと落とす。
② 浸水:大豆の重さの四倍の水に一晩(八時間以上)浸す。
③ ゆでる:浸けた水ごと鍋に入れ、火にかけ、煮立ったらアクをとりながら、弱火で約一時間。
大豆が主役の超~簡単メニューのレシピ
◎大豆ご飯
炊飯器に、白米、煎り大豆を入れ、普段の水加減で炊くだけ。
【材料】
白米
煎り大豆
◎けの汁
けの汁は、津軽の郷土料理。
【材料 】
大豆(ゆで)
高野豆腐
油揚げ
山菜類
根菜類(ゴボウ、大根、にんじん等)
干ししいたけ
だし汁
味噌、醤油 など
どちらのメニューも身近にある食材で、好きな分量で、作っていただきたい料理。大人にも子どもにも大人気です。
ぜひ、作ってみてくださいね。
まとめ
《健康日本21》の栄養・食生活に関する目標値の「カルシウムに富む食品の摂取量の増加」の指標の目安:豆類100g以上は、未だに達成されていません。
「大豆を戻すのは面倒」と言わずに、一晩水につけるだけ!!
でも時間のないときには、レトルトパックや缶詰の「水煮にしたもの」「蒸したもの」も利用して、健康にも美容にもうれしい【大豆】をマメに取り入れてください。
参照: 厚生労働省H.P「健康日本21」について
農林水産省H.P「日本の食材帖 乾物レシピ」 三浦理代監修 主婦と生活社