こんにちは。外部執筆スタッフの管理栄養士 吉澤裕加です。
連日、新型コロナウイルス関連のニュースが報道され、予断を許さない状況が続いていますね。
施設などで調理に従事する管理栄養士・栄養士さんも衛生管理の対策に追われていることと思います。
私も管理栄養士として、医療機関で栄養指導を請け負っている傍らで、給食管理にも関わる機会があります。
今回は、新型コロナウイルス発生後に実施した3つの基本的なことを改めて紹介したいと思います。
1.ウイルスの感染経路の確認
新型コロナウイルスの広がり方は飛沫感染、または接触感染によって伝染すると言われています。
衛生指導に携わる者としてウイルスがどのような経路で感染する可能性が高いのかを把握しておく必要がありますね。
調理場で働く人がそれぞれ目にする情報を、全員が同じように理解するとは限りません。
大規模施設であればなおさらです。
毎日の朝礼や給食会議等などで同じ情報を共有し、全体理解を促す必要があります。
私が情報収集の際に使用したのは、厚生労働省のホームページです。
厚生労働省ホームページはこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
新型コロナウイルス感染症についての特設ページに、常に新しい情報がアップデートされています。
私はこのぺージ内『関連情報』にある
・「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」
・「家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~」
を参考にしました。
感染経路の特徴として、スポーツジムやビュッフェスタイルの会食、密接した仮設テントなどで一人の感染者が複数に感染させた事例が報告されています。
まずは、「喚起が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けるように」との厚生労働省の注意喚起を共有しました。
さらに、家庭内で注意することとして挙げられていた感染予防のポイントを抜粋し、調理現場に応用して以下のようにまとめました。
・マスクをつけること(マスクを外す際にはゴムやひもをつかんで外す)
・こまめに手を洗うこと(洗った後はアルコール消毒をする。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにする)
・換気をすること(休憩室は窓やドアを開けて換気を行う)
・手で触れる共有部分を消毒すること(薄めた塩素系漂白剤で拭き、水拭きを行う)
・衣服を洗濯してきれいに保つこと(洗った後は完全に乾燥させる)
これらは全員が参加する給食会議で情報共有しました。
早い段階で最新の情報を共有をするのも、管理栄養士・栄養士の役目です。
2.自身の体調管理・手洗い方法の周知
調理現場で働く人は自宅での手洗い方法とは異なり、肘下まで入念に洗う必要があります。
他にも爪ブラシを使った爪の間の洗うことも必要とされていますね。
日々、衛生的で安全な食事の提供の為に徹底されているとは思いますが、再度確認として周知しておくことも大切です。
特に調理前に行う手洗いについては、全員が共通して入念に行うことが必要とされます。
今回私は手洗い場の前に手洗いの手順のイラストを貼り、手洗い方法に個人差が出ないようにしました。
それから、菌を持ち込まないように気をつける場所として休憩室やロッカールームもありますね。
出勤時に必ず使用する箇所である為、扉付近にアルコール消毒液を設置し、手を消毒してから中に入るということにも取り組んでいます。
感染を防ぐだけではなく、なにより働く人一人ひとりの体調管理にも繋がります。
3.物品の確保と対処法
感染を回避するには、マスクの着用や、石鹸を使った手洗いやアルコール消毒液の使用が有効ですが、現在品薄状態になっています。
ある程度はストックしていても、通常は品薄状態が長期に渡ることを想定していない為、在庫がゼロとなる日も近づきます。
調理に従事するスタッフはマスクを着用して調理に携わることが必須ですので、在庫管理を徹底し、万が一不足する場合のためにあらかじめ対策を取っておく必要があります。
そこで私はすぐに、「洗って使えるタイプのマスク」を人数分確保しました。
店頭購入が難しかった為、インターネットで購入。
ポリウレタンの素材の商品です。
使い捨てのマスクがなくなった時の準備なので、実際の現場では未使用の段階ですが、
・使用した場合は1日1回の洗濯を行うこと。
・洗い方は中性洗剤(台所用洗剤)を使用して30℃以下の水で優しく手洗いすること。
・直射日光を避けてしっかり乾燥するまで乾かすこと
とされています。
他にも、ガーゼで作られているタイプのものもあります。
身近にハンドメイドが得意な方がいる場合は制作をお願いするのも一つの方法ですね。
給食管理において決断をすることも多い管理栄養士・栄養士の仕事。
万が一のことが起こってからでは遅いですし、不安を抱えての業務は悪循環を引き起こしかねません。
皆が安心して業務につくために、余裕を持って、基本的なことを着実に実行することの大切さを改めて感じました。
以上、感染症が流行したときに管理栄養士・栄養士として行った方が良い3つのことを紹介しました。
少しでも参考になれば幸いです。