皆さん、こんにちは!執筆スタッフ管理栄養士の中村達也です。
ブログ本題に入る前に私の活動を、少し紹介させてください。
現在、熊本、福岡で「Food Masters Circle」を開催しながら、医療だけでなく、スポーツ栄養やフリーランスの栄養士を目指す方など・・・
様々な栄養士さんと交流させて頂いています。
新たな一歩を踏み出すには、タイミングやきっかけも必要です。
次に踏み出すきっかけが欲しい
新しい刺激が欲しい方など
ぜひ参加していただきたいと思ってます(^O^)/
さて、前置きが長くなりましたが、最近ご縁があり、トップアスリートの食事介入をさせていただくこととなりました。
特に活動量の多い選手は、必要エネルギー量が摂取できなかったり、体型維持のために食事制限を行う場面も多いかと思います。
今回は、「アスリートの貧血の原因と対策」について少しお伝えできればと思います。
ちなみに鉄欠乏性貧血は、女性アスリートの15〜35%、男性アスリートの約3〜11%の有病率が報告されています。
更に、鉄欠乏性貧血になると、回復まで、3〜6ヶ月かかるとも言われています。
鉄は、酸素運搬に重要な働きを担うだけでなく、 ATPの生成に関与するなど、身体にとって重要なミネラルの一つです。
ここで少し、体内の鉄の復習を・・・
体内の鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。
体内で最も多量な鉄はヘム鉄として存在し、酸素の運搬をする赤血球のヘモグロビン、酸素の貯蔵を行うミオグロビンに大別されます。
非ヘム鉄のフェリチン、ヘモジデリン、トランスフェリン。
体内の鉄が減少してくると、貯蔵鉄であるフェリチン、へモジデリンが減少します。
そこから体内の鉄が減少してくると、この貯蔵鉄が減少してきます。
トランスフェリンは、血漿中などの細胞外液内鉄を運搬する役目を持ちます。
要するにヘモグロビンが低い状態のときは、すでに体内の貯蔵鉄も低くなっている状態ということですね。
アスリートだけでなく言えることは、血液検査において、ヘモグロビンだけではなく、フェリチンや血清鉄なども着目していくと貧血の予防や対策に早期に取り掛かれるのではないかと思います。
ここからが本題です!
アスリートが多く起こる貧血の原因
- 必要量を摂取できなかったために起こる貧血
- エネルギー不足による貧血
- 希釈性貧血
貧血の改善方法
- エネルギー不足にならないようにバランスよく食べること
- 胃腸の調子を整えること
- 鉄の摂取量が低くならないようにすること
- 鉄の吸収を高める工夫をすること
- 身体活動量の減少
- 質の良い睡眠を十分に取ること
アスリートの貧血の予防のためには、日常的にこれらを意識し、実行していくことが必要となります。
特に活動量が多くなると、その分エネルギーの必要量も多くなるので、エネルギギーの確保ができなければ貧血に導いてしまうことにつながりますよね・・・
そして重要なことがやはり本人からの聞き取りではないかと思います。
これは聞き取る側の個人差もあるとは思いますが・・・
現時点の内容だけでなく、この1、2年での体調面での変化、内服、どのような練習、試合の時に体調の変化を感じるかなどなど・・・
実際に食事の聞き取りやアセスメントで、このような場面はありませんか?
「そういえばこの時・・・こうでした!」などなど。
意外と対象者の口から、ポロって出てきたときの言葉が大きなヒントになります!
僕自身経験があるのは、「海外に行ったのを機に、身体が変わった、怪我をしてから身体が変わったなど」
でも、この会話って相手の話を聴きながら、常にヒントがないかイメージをしないとピンとこないものです。
その兆候や変化が、身体的にどのような影響を及ぼしているのか知っておかないといけませんよね?
例えば今回の貧血も
「どこからきているものなのか?」
「女性アスリートの三主徴が絡む要素はないのか?」
など・・・
知識も大事ですが、相手から言葉を引き出す力も必要です。
今回は、貧血について書かせていただきましたが、まだまだ触りの一部分にしか過ぎませんが、この記事が少しでも皆様のお役に立てえれば嬉しいです!
【参考文献】
・理論と実践 スポーツ栄養学 著者 神奈川県立保健福祉大学教授 鈴木 志保子
出版社 日本文芸社
・食卓の生化学 著者 三浦義彰 小野直美 橋本 洋子 出版社 医歯薬出版株式会社