こんにちは。執筆スタッフの管理栄養士 吉澤裕加です。
すっかり朝夕が寒くなり冬を感じる季節になりました。
さて、9月より各地で行われていた
『日本人の食事摂取基準(2020年版)研修会』
皆さんご存じでしたでしょうか?
研修会では検討・改定に関わられた先生方が講師として、医療・介護・行政関係者などが食事摂取基準を正しく理解して適切に活用できるように話をしてくださいました。
食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象に
- 国民の健康の維持・増進
- エネルギー・栄養素欠乏症の予防
- 生活習慣の予防
- 過剰摂取による健康障害の予防
を目的として、エネルギーや各栄養素の摂取量の基準を示しているものです。
こちらの食事摂取基準、栄養士の皆さんはご存じの通り5年間ごとに見直され、使用期間が決まっています。
学生の頃は、5年ごとに変わるんだな~。
程度にしか思っていませんでした。
しかし、興味を持つきっかけとなったのは私が社会人になり7年目、3年の実務経験を経て、重い腰を上げようやく管理栄養士国家試験を受験する時でした。
その頃には2回の食事摂取基準の改訂が行われており、まさしく受験の年は2回目の改訂があった年でした。
管理栄養士国家試験では改訂した点を把握しておくことは必須と言っても過言ではありません。
それまで保育園での調理の業務や転職後、栄養指導に携わる中で、恥ずかしくも食事摂取基準の改訂についてあまり深く考えたことはありませんでした。
実は今回初めてこのような研修会があることを知り、参加してまいりました。
今回の策定方針
高齢化の進展や糖尿病有病者数の増加等を踏まえ、
栄養に関連した身体・代謝機能の低下の回避の観点から、
健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防及び重症化予防に加え、
高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定を行うこととした。
とあります。
高齢化社会に向けて健康寿命を延ばせるようなことを視野に入れて策定されている様です。
研修会の中では変更点についての詳細が語られました。
- 目標量の算定にエビデンスレベルを付けること
- 高齢者の年齢区分を変更
- 各栄養素の指標による数値の信頼度と活用について
ここに書いたのはほんの一部です。
資料の詳細は、厚生労働省HPにも掲載されています。
先生方も講義の中で
「より詳しく知るために資料を見てもらいたい」
ということを何度もお話されていました。
特に「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書には頂いた資料がさらに詳しく掲載されています。
参加した感想
今回、駆け足ではありましたが掲載されている全ての栄養素についての解説を聞くことができました。
先生方の話を聞いて
「もっと早く知っていたら栄養指導に生かせていたかも」
「もっと患者様に合ったお食事を提供できていたかも」
と思うような腑に落ちる解説がいくつもありました。
今後も、食や栄養の情報を発信する側である栄養士は、常に新しい情報と知識にアップデートし、食事摂取基準に込められた意味や思いを理解した上で活用していく必要性があると感じた研修会でした。