その胃痛、胃もたれは機能性ディスペプシアかも?!

こんにちは、執筆スタッフの髙橋美枝です。

秋は、「食欲の秋」ですね!美味しい食材が旬の季節なので、栄養士の皆様も食べすぎる?かも?!しれませんね。

そんな食欲の秋なのに、なんとなく食べられない、胃痛、胃もたれなど感じている方はいらっしゃいませんでしょうか?

通常の胃薬を飲んでも全然良くならない・・・

そんな方はもしかしたら機能性ディスペプシアかもしれません。

今回は、内視鏡検査などで症状の原因となる明らかな異常がないのに、慢性的にみぞおちの痛みや胃もたれなどの症状を呈する、機能性ディスペプシアという病気についてお伝えしたいと思います。

突然の胃痛・・・聞きなれない病名とは?

実は、私は4年前に、突然の胃の痛み、食事が摂れなくなるという症状に陥りました。

朝に何度か胃痙攣などの症状があり、数分程度、脂汗が出るほど胃の痛みがあり、念の為に消化器内科で胃カメラ、エコーなどの検査を行いましたが、軽い逆流性食道炎があったくらいで、ピロリ菌さえも見つかりませんでした。

まずは、逆流性食道炎の薬と胃痙攣になった時の頓服の薬をもらい数日経過をみました。

しかしながら、薬を飲んでも一考に良くならず、寝込む日々が・・・。

さらに食事を摂ることが一層、難しくなりました。食べることで胃痛がひどくなり、栄養補助食品をやっとの思いで食べるというくらい症状が悪化してしまいました。

結果的に、薬を4回ほど変えて、やっと効く薬と出会い数日飲み、症状が落ち着きました。

「機能性ディスペプシア」

栄養士の私には聞きなれないその病名がこの症状の原因でした。

機能性ディスペプシアの原因、治療法

日本消化器学会のホームページでは、機能性ディスペプシアの病態は複雑であり1つだけの原因で引き起こすわけではないと書かれています。

原因として

  1. 胃運動機能異常(胃が十分に動かないために、食べたものがうまく十二指腸に送ることができない)
  2. 胃、十二指腸の知覚過敏によるもの
  3. ストレス
  4. 遺伝的要因
  5. ピロリ菌の感染

などがあります。

私の場合は、ピロリ菌がなかったので、それ以外の原因が考えられます。

私は、もともと胃が弱くにんにく料理を食べると、熱を出すことがあったくらいなので胃自体の機能異常や、ストレスが関係が深そうだなと思っています。

実際の原因は、正直分かっておりませんが、2013年の3月に製造承認を取得した機能性ディスペプシアの治療薬、アコファイドが非常に効きました。

(※個人の感想であり効果・効能を示すものではありません。)

薬物療法は元より、この病気は生活習慣の見直し、規則正しく3食食べる、ストレスをためない、睡眠をしっかりとるということも大切な治療法といえます。

また、食事の内容としては、脂肪分が多いもの、アルコール、カフェインを避けることが必要ですが、とはいっても、正直、食べたいのに食べられないという状況でしたので、なんでもよいので、食べたいものを少しでも口に入れるという日々を送っていました。

少し良くなれば、食事の質にも気を配ることが大事ですが、まずは食べられるものを食べるということが大切だと思います。

症状があれば、できるだけ早く受診を!

この病気は、寝込むほどの胃痛を感じることもあるので、生活の質(QOL)を低下させてしまう可能性が高くなります。

放置しておくと、精神的な面にも影響を与えてしまうので、症状があれば、まずは病院を受診し適切な治療を受けることが大切です。

機能性ディスペプシアという病気については、直接的に栄養士の仕事には結びつかないと思いますが、逆流性食道炎でもない、慢性胃炎でもない新しい消化器疾患の病気について、ぜひ知っていた方が良いと思います!ぜひ、参考にしてみて下さい。

※病状に関してのお問い合わせには、お答えできません。

日本消化器病学会:機能性ディスペプシア