こんにちは!東京人材事業部 加藤です。何を隠そう私、数年前にTVコマーシャルで有名な某通信教育講座で「薬膳コーディネーター」の勉強をしたことがあります。
皆さんは「薬膳」に興味はおありですか?
薬膳とは中国の伝統医学薬学「中医学」を土台して、健康維持、体質改善、病気治療を目的とした料理です。
中医学(中国漢方)には「五行学説」という考え方があります。
宇宙を構成するすべてのものは「木・火・土・金・水」のいずれかの特徴を持っていて5つに分類できるというもので、それらが調和することですべての物事はバランスが保たれる、というものです。
この法則に当てはめ、人体の臓器を「肝・心・脾・肺・腎」、季節を「春・夏・長夏・秋・冬」という風に5つに分けていきます。では、この春という季節は何の臓器に当てはまるのでしょうか。
春の季節の特徴といえば、凍てついた冬の季節から水も温み、日差しも柔らかな暖かさを帯びる季節。冬枯れの枝からは一斉に若葉が芽吹き、色とりどりの花が咲き乱れる季節。「木・火・土・金・水」で言うところの「木」にあたります。
生命活動を活発にするのは「木」だけでなく人間も同じこと。気温の変化に応じて汗をかきやすくなったり、なんとなく気持ちがウキウキしてきたりしますよね。
さて、そんなイメージの臓器って何だろう、心がウキウキ、なんていうと心臓かしら?と思われる方もいるかもしれませんが、実は「肝」が「春」にあたる臓器なのです。
中医学での「肝」とは、西洋医学的にいうところの肝臓の機能、「代謝」「解毒」「生成」に加えて自律神経系や新陳代謝の機能を担い、全身の「気(エネルギー)」の流れをコントロールしているとされています。それゆえ、滞りなく機能するには春の樹木のように生き生きとして伸びやかな状態を好む、とされているのです。
ですが、現代人にとっての「春」とは、そういう季節ではありませんよね。新しい生活が始まるストレスや不安、季節の変わり目特有の気温や天候の変化……。「五月病」という言葉もあるように春先のほうがストレスはたまりやすいイメージがあります。
伸びやかさを好む「肝」にとってはいささか過酷な季節ですよね。
とはいえ、自分でどうにかできないのがストレスのつらいところです。そこで今回は始まりと変化の季節「春」を元気に乗り切るためのおすすめ食材と調理法をご紹介しましょう。
ひとえにご紹介、といっても「肝」の状態によっておすすめは変わってきます。
「肝気が上昇しているタイプ」
…のぼせやめまい、イライラなどの症状が強い
体を冷やす効果のある酸味や苦みのあるもの、香りのよいものがおススメ!!
レモン、梅、筍、ふき、セロリ、セリ、春菊、アスパラ、三つ葉、緑茶など
「肝気の上昇が足りないタイプ」
…冷え性、無気力、体のリズムの乱れなど
体を温めるほどよく甘いものや血をふやすものがおススメ!!
ブルーベリー、棗、クコの実、あさり、はまぐり、カツオ、カレイなど
もちろん、食事だけでなく体を動かすことも大切です。「肝」が愛する「春」の木々の芽吹きなどを感じるために散策を楽しむなど体を動かす、なんてこともぜひお試しになってみてはいかがでしょうか。
参考文献:「U-CAN 生涯学習局 薬膳コーディネーター講座テキスト」
「イスクラ産業株式会社ホームページ」