
栄養士として転職を成功させるためには、職務経歴書の書き方が重要です。採用担当者に好印象を与えるためには、これまでの経験やスキルを的確に伝えることが求められます。
しかし、「どのようにアピールすればいいのか」「自己PRはどう書けばいいのか」と悩む方も多いでしょう。
そこで本記事では、栄養士の職務経歴書の基本構成や書き方のポイント、自己PRの例文を交えながら、採用につながるコツを詳しく解説します。
職務経歴書とは?
職務経歴書は、過去の勤務先、業務内容、実績を具体的に伝える重要な書類です。特に管理栄養士の場合は、どのような職場(病院、幼稚園、介護施設など)で、どのような業務に携わり、どのような成果を上げてきたかを明確に記載することが大切です。
この書類は、履歴書では伝えきれない自分の強みや熱意をアピールするための自己推薦書としても活用できます。職務経歴書は、手書きでもパソコンでも問題ありませんが、手書きの場合は読みづらくなることもあるためパソコンで作成するのが一般的です。
用紙はA4サイズを使い、1~2枚程度に収めるようにしましょう。長文になる場合は、箇条書きなどで読みやすさを工夫し、採用担当者が負担にならないよう配慮することが重要です。
また、職務経歴書は履歴書と一緒に提出するのが基本です。最近では、履歴書の職歴欄を具体的に記載するための書類として、職務経歴書を求める企業も多いため、提出指示がなくても準備しておくことが推奨されます。
栄養士の職務経歴書の基本的な書き方
職務経歴書を作成する際は、パソコンで作成するのがおすすめです。Wordなどの文書作成ソフトを使用し、A4サイズ・横書きで作成するのが一般的です。
文章は簡潔にまとめ、全体を2枚に収めることを意識しましょう。1枚では情報が不足し、3枚以上になると多すぎて読みにくくなるため、採用担当者がスムーズに確認できる分量を心がけることが大切です。
また、レイアウトにも気を配り、すっきりとした読みやすいデザインを意識しましょう。特に栄養士の場合、献立表や報告書などの文書作成スキルが求められることも多いため、職務経歴書を通じて文章作成能力をアピールすることも重要です。適切なフォーマットで、見やすく分かりやすい職務経歴書を作成しましょう。
栄養士の職務経歴書の項目ごとの書き方
栄養士の職務経歴書は、経験やスキルを的確に伝えることが重要です。
ここでは、各項目の具体的な書き方を解説し、採用担当者にアピールできるポイントを押さえた職務経歴書の作成方法を紹介します。
日付や氏名などの基本事項
職務経歴書の日付は、提出日を記入します。郵送の場合は投函日を記載し、履歴書と整合性を取ることが重要です。また、和暦と西暦は書類全体で統一し、履歴書と揃えることで見やすくなります。
氏名・住所・電話番号・Eメールなどの個人情報も必ず記載しましょう。履歴書にも記載していますが、書類が混在した際に誰のものか分からなくなるのを防ぐため、職務経歴書にも記載するのが基本です。
さらに、採用担当者や面接官が職務経歴書をもとに連絡することもあるため、誤りがないよう十分に確認してください。
統一感のあるフォーマットで、見やすく整理することが大切です。
職務要約
職務経歴書の中でも、職務要約は最初に読まれる重要な項目です。ここでは、これまでの栄養士としての経験を簡潔にまとめ、採用担当者の興味を引く「掴み」となる内容にすることが大切です。
職歴を記載する際は、勤務した施設や法人の正式名称を略さずに書きましょう。
例えば、「〇〇病院 栄養管理部」や「△△保育園 栄養士」と明記し、業務内容も簡潔に整理します。栄養士として担当した献立作成、調理指導、衛生管理、栄養指導などの経験を明確に伝え、職務経歴書全体の印象を良くしましょう。
また、栄養士としての強みやスキルを一文で伝えることも有効です。職務要約を魅力的に仕上げることで、栄養士の職務経歴書全体の評価を高めることができます。
職務経歴
職務経歴書では、栄養士としての職歴を時系列で記載し、1社あたり3〜5行程度で簡潔にまとめましょう。栄養士としての熱意よりも、具体的な業務内容や成果を重視し、採用担当者がスムーズに理解できるようにすることが大切です。
例えば、「〇〇病院 栄養管理部(20XX年~20XX年)」と記載し、栄養士としての献立作成、患者への栄養指導、大量調理の管理など、業務内容を端的に説明します。
また、栄養士の専門スキルを活かした改善策や、チームでの実績などを記載することで、より魅力的な職務経歴書になります。
職務経歴書は採用担当者が重要視する書類です。わかりやすく整理し、栄養士としての経験を効果的に伝えましょう。
経験
職務経歴書を作成する際は、単に自身の経験を羅列するのではなく、応募先企業が求める栄養士像を意識することが重要です。
企業の求人内容をよく確認し、募集背景や求めるスキルを分析したうえで、自身の栄養士としての経験をどのように活かせるかを考えましょう。
例えば、病院の栄養士求人であれば、栄養管理業務や患者への食事指導の経験を強調し、保育園の求人ならアレルギー対応や献立作成の実績をアピールします。
経験が浅い場合は、「どのような姿勢で仕事に取り組んだのか」を伝えることも効果的です。職務経歴書の内容を応募先に最適化することで、より説得力のあるアピールが可能になります。
栄養士としてのスキルを活かし、企業が求める人材像に沿った職務経歴書を作成しましょう。
保有資格や特技
職務経歴書では、栄養士や管理栄養士の資格に加え、関連する資格を記載すると効果的です。例えば、NST専門療法士、日本糖尿病療養指導士、栄養教諭、食生活アドバイザーなどは、栄養士の仕事に役立つため、取得している場合は積極的にアピールしましょう。
また、特技や技能については、具体的にどのような場面で活かせるのかを明確に記載することが重要です。
例えば、「英語が得意で医療現場の専門用語を理解し、外国人患者への食事指導ができる」や「IllustratorやPhotoshopを使用し、食生活支援のリーフレット作成が可能」など、実際の業務にどう活かせるかを示すことで、栄養士の職務経歴書としての説得力が増します。
適切な資格や特技を活かし、採用担当者にとって魅力的な栄養士の職務経歴書を作成しましょう。
自己PR
職務経歴書の自己PRは、自身の強みや仕事への熱意を伝える重要な項目です。採用担当者に「この栄養士は入社後に活躍してくれそう」と思ってもらえるよう、前向きで意欲的な姿勢を示しましょう。
例えば、「患者一人ひとりに寄り添った栄養指導を心掛け、個別の食事プランを提案してきた」「給食施設での経験を活かし、安全で栄養バランスの取れた食事提供に努めた」など、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。
また、文章作成が苦手な方は、職務経歴書のサンプル例文を参考にするのも良いでしょう。
自己PRは、自分を売り込む絶好のチャンスです。栄養士としてのスキルや姿勢をしっかり伝え、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。
栄養士が職務経歴書を書く際に参考になる自己PR例文
職務経歴書の自己PRでは、栄養士としての強みや成功体験を絡め、志望度の高さや熱意を伝えることが重要です。
管理栄養士は、栄養の専門知識を活かし「保健」「医療」「介護」「福祉」「教育」など幅広い分野で活躍できる職種であり、今後ますます需要が高まります。
職務経歴書の自己PRでは、仕事への姿勢を示しつつ、具体的な成果を交えながらアピールすることが大切です。
経験者の場合
栄養士経験者の自己PRは、前職で培った経験や知識をどのように応募先に生かせるかを伝えることが大切です。
例えば、「食育活動を行い、地元の伝統食品や行事食を献立に取り入れた結果、子どもたちが食事に興味を持ち、保護者から好評を得た経験があります。」などの具体的な経験などはよい例です。
ほかにも「コスト感覚を活かして食材の調理方法や光熱費を見直し、約10%のコストカットを実現。これらの成果を踏まえ、貴社でも食育やコスト管理に貢献したいと考えています。」といった実績を活用するのも良いでしょう。
【自己PR例文】
私の強みは、栄養士として培った専門知識と実務経験を活かし、職場の課題を改善できることです。前職では、介護施設の栄養士として献立作成や栄養管理、調理スタッフとの連携を担当していました。
しかし、食事の残食率が高いことが課題でした。そこで、利用者の嗜好や嚥下状態を考慮し、献立を工夫。さらに、スタッフと協力し盛り付けや食事環境を改善した結果、残食率が20%減少しました。
職務経歴書にも記載の通り、こうした経験を活かし、貴社の栄養士として利用者の健康を支え、質の高い食事提供に貢献したいと考えています。栄養士としてさらなる成長を目指し、常に学び続ける姿勢を大切にしていきます。
未経験者の場合
未経験で栄養士に転職を目指す際は、具体的なエピソードを交え、意欲をアピールしましょう。
例えば、「大学で栄養士資格を取得後、家族や友人に栄養バランスを考慮した料理を提供し、食材選びや調理法にも工夫を凝らしています。」といったエピソードが挙げられます。
職務経歴書においては、「栄養バランスとおいしさを両立させる重要性を実感し、栄養士として貢献したい」といった志望動機を強調することで、長期的に活躍したい意志を伝えることができます。
【自己PR例文】
私の強みは、栄養士としての知識を活かしながら、常に学び続ける姿勢を持っていることです。栄養士資格取得後、実務経験はありませんが、職務経歴書にも記載の通り、これまで家庭での食事管理や栄養バランスを考えた献立作成に取り組んできました。
特に、家族の健康を考えた食事作りを続ける中で、食材の組み合わせや調理法の工夫の大切さを実感しました。
今後は、貴社の栄養士として、利用者の健康を支える食事提供に貢献したいと考えています。実務経験はありませんが、栄養士として必要な知識を積極的に学び、職場での業務に迅速に適応できるよう努力を惜しみません。どうぞよろしくお願いいたします。
第二新卒の場合
第二新卒で栄養士として転職を考える際、前職の実務経験を強調しましょう。
例えば、「介護施設での栄養士として、調理業務や配膳に携わり、業務の遅れやミスが発生していましたが、その改善に取り組んだ」といったようなエピソードを入れてみましょう。
より具体的に言うなら「栄養士、調理師、介護士のスケジュールを調整し、業務マニュアルを見直して連携を強化した結果、ミスの発生を半減させることに成功しました。この改善能力を活かして、栄養士として貴社に貢献できる」とアピールするなどが挙げられます。
【自己PR例文】
私の強みは、前職での経験を活かしながら、栄養士としてのスキルをさらに高めようとする向上心です。
職務経歴書にも記載の通り、前職では病院の給食部門で働き、献立作成の補助や食材管理、調理補助を担当しました。
特に、栄養士として患者様に適した食事を提供するため、医師や管理栄養士と連携しながら業務を進めてきました。業務を通じて、食事が人の健康に与える影響の大きさを改めて実感し、より専門的な知識を深めたいと考えています。
貴社では、これまでの経験を活かしながら、新たな環境でも学び続け、栄養士として成長し、利用者様の健康に貢献していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
栄養士が好印象な職務経歴書を書く3つのポイントとは?
職務経歴書は、経験や実績を具体的に伝える重要な書類です。
採用担当者は、応募者が自社の業務に適しているかを確認するため、この書類を重視します。複数の応募者がいる場合、職務経歴書の内容が採用に大きく影響するため、応募先の視点を意識して作成することが大切です。
①応募先が求める経歴やスキルをしっかりPRする
職務経歴書を作成する際には、採用担当者に「会ってみたい」「一緒に働きたい」と思ってもらえるような文章を心がけましょう。自身の活躍している姿がイメージできるように、具体的な実績を伝えることが重要です。
例えば、栄養士としての業務で「患者の栄養状態改善率を20%向上させた」など、数値や根拠を交えることで内容に信頼性を持たせ、具体的な成果を示すことができます。
このように、実績を具体的に伝えることで、採用担当者に強い印象を与える職務経歴書を作成できます。
②採用後に活躍している姿がイメージできるような文章にする
職務経歴書を提出する前に、応募先の事業理念や業務内容、勤務形態をしっかりと確認しましょう。栄養士として求められるスキルや経歴が、職務経歴書に適切に反映されているか確認することが重要です。
同じ業種であっても、企業によって求める人物像は異なります。過去に使った職務経歴書をそのまま流用せず、応募先に合った内容にカスタマイズすることが大切です。
具体的な業務経験や成果を盛り込み、応募先のニーズにマッチした栄養士としての強みをしっかり伝えましょう。
③誤字脱字がなくし読みやすい文章で書く
職務経歴書を提出する前に、誤字脱字や文章のつながりが不自然な部分がないか丁寧に見直しましょう。栄養士としての経験やスキルを的確に伝えるためにも、読みやすさは重要です。特に、応募先の担当者がスムーズに理解できるよう、簡潔で分かりやすい表現を心がけることが大切です。
また、職務経歴書の確認にはWordなどの校閲機能を活用するのもおすすめです。栄養士としての専門知識や業務経験を正確に伝えるためにも、誤字脱字を防ぎ、論理的に整理された文章に仕上げましょう。
しっかりとチェックを行い、完成度の高い職務経歴書を作成してください。
栄養士が職務経歴書を送る際の注意点
職務経歴書は、経験や実績を具体的に伝える重要な書類です。採用担当者は、応募者が自社の業務に適しているかを確認するため、この書類を重視します。
複数の応募者がいる場合、職務経歴書の内容が採用に大きく影響するため、応募先の視点を意識して作成することが大切です。
郵送の場合
職務経歴書を郵送する際は、以下のマナーに気を付けましょう。
封筒のサイズは角形A4号または角形2号で、色は白が無難です。書類は送付状を一番上にし、履歴書と職務経歴書を順番にクリアファイルに入れてから封筒に入れます。また、封筒には赤ペンで「履歴書在中」と書き、宛名は企業なら「御中」、個人なら「様」を付けます。
郵便局の窓口から送ることで、切手不足や期日通りの配達が保証されるので、可能であれば窓口から送ることをおすすめします。栄養士としての第一印象を良くするためにも、マナーを守って送付しましょう。
電子メールの場合
職務経歴書を電子メールで送る際は、ExcelやWordで作成した書類を「PDF形式」に変換することをおすすめします。
PDF形式にすることで、栄養士としての職務経歴書や履歴書のレイアウト崩れを防ぎ、どのパソコンでも開くことができます。メール件名には「応募書類送付の件 氏名」を記載し、本文には宛名、挨拶、自分の名前、目的、結びの挨拶、署名を盛り込みましょう。
また、セキュリティ上の理由から、パスワード付きファイルの送付は避け、PDFで安全に送ることが推奨されます。
栄養士の職務経歴書の作成はDietitianjobにご相談ください
栄養士として転職を考える際、職務経歴書はあなたの経験やスキルを採用担当者に伝える重要な書類です。
しかし、「どのように書けば自分の強みをアピールできるのか」「未経験やブランクがあっても評価される書き方は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
病院、保育園、企業など、職場ごとに求められるスキルが異なるため、それに合わせた書き方が必要になります。
例えば、病院勤務なら患者様の栄養管理の実績、保育園なら子ども向けの献立作成やアレルギー対応の経験、給食会社なら大量調理のスキルを強調することが大切です。
自己PRや志望動機も、応募先のニーズに合った内容にすることで、採用率を高めることができます。
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